『ちあきなおみ 「ねえあんた」』
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 小学校の低学年の頃、朝6時半頃に起きて寝ボケながら食卓へ行くと、しょっちゅうラジオから流れてくる曲がありました。ちあきなおみの「四つのお願い」でした。当時ヒットしていた曲というわけではないのに、何故か本当に良く流れていました。きっとDJの方が好きな曲だったのでしょうね。超ポップなメロディと妙に艶めかしい歌声が子供ながらにメチャクチャに好きになって、強烈に耳に残る曲となってしまいました。おかげで、「ちあきなおみ」と言えば「四つのお願い」、という具合に刷り込まれてしまいました。もちろん「喝采」とか「X + Y = LOVE」なんかも超大好きな曲なんですけど。


 子供の頃に強烈に耳に残ってしまった曲というのは、年月を経ても記憶に残っているものだと思います。「四つのお願い」と同じように頻繁にラジオから流れていた沢田研二の「追憶」とか、フィンガー5の数々のヒット曲とか。他にもラジオやテレビから流れてきた曲で、意識もしていないのに自然に耳に残っている曲は多々あります。


 その後ちあきなおみも沢田研二もフィンガー5も忘れてしまい、白人のロックしか聞かない高校時代を経てワールド系の音楽を色々と聞き始めた学生の頃のある日、何気なく点けたラジオから強烈に聞き覚えのある曲が流れてきました。ちあきなおみの「四つのお願い」でした。思わず立ち尽くしたまま聞いてしまいました。子供の頃に好きだと感じたものは、やはり時が経っても好きなんだと思いました。ロック〜ワールド系の音楽を色々と聞き漁るようになっても、自分の基本は子供の頃から耳にしていた歌謡曲にあるのだろうな、とその時思いました。


 それからちあきなおみのベスト盤を買って「四つのお願い」はいつでも聞けるようになったものの、そのベスト盤には「X + Y = LOVE」が入っていなかったりして、満足のいく選曲ではありませんでした。代表曲をまとめて聞ける何か良いベスト盤はないかと思い、他に色々探してみましたが、結局見つかりませんでした。


 それからまた月日は流れ、2000年のことですが、ちあきなおみの6枚組コレクション「ねえあんた」が発売されるという情報を得ました。「これはゲットせねば!」と思ったものの、どこへ行っても速攻で売り切れで(元から入荷してなかった?)、入手することはできませんでした。


 そしてそれから3年ほど経って、北九州は小倉のブック○フをブラブラしていた時、演歌コーナーに「ねえあんた」が鎮座しているのが目に入りました。一瞬目を疑いましたが、間違いなくそこにあります。「おおっ、やった!」と、喜び勇んでゲットしたのは言うまでもありません。5000円也。このブツ、全118曲入りで、ちあきのコロムビア時代の音源は大体網羅していますので、聞きたかった時代のちあきの歌が存分に聞けるわけであります。私はちあきなおみを「日本最高の歌手」と評価していますので、この6枚組は本当に宝ですね〜。


 このブツ、これまで何千枚と聞いてきたCDやLPの中からベスト10を選ぶとすれば、間違いなく入ってくる作品です。頻繁に聞くことはありませんが、折に触れて聞いて「嗚呼、やっぱりええなあ・・・」としみじみ感じるコレクションなのであります。FAYRAYの「HOURGLASS」、ブアチョンプーの1枚目のアルバム、テパパの唯一のアルバムなんかと並んで、私にとって無くてはならない存在です。


あと、コメント欄に試聴を貼り付けておきますので、よろしければお試しを。
【2008/07/04 22:32】 東アジア | トラックバック(0) | コメント(1) |
『鬼束ちひろ 「インソムニア」』
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 鬼束ちひろの01年発表の、ヒット・シングル「月光」と「眩暈」を含むデビュー・アルバムです。「月光」というタイトルに象徴される通り、暗闇の中に浮かび上がる冷たく青白い月光の如く静謐で美しい作品です。時に何かに取り憑かれたかのように、時に全てを諦めてしまったかのように、独特の言葉使いで歌う彼女の鬼気迫る歌は衝撃的でした。


 歌も歌詞も非常に暗いのですが、気が滅入るようなものではなく、心の襞にそっと入り込んでくるような暗さなので、聞けばかえって心が落ち着きます。デビュー当時は色々なところで癒し系と言われていましたが、おそらくこれが彼女が「癒し系」と言われる所以でしょう。ちょっと心が沈んだ時、心を落ち着けたい時なんかに処方すると、非常に効果的です。私にとってこのアルバムは鎮静剤とか鎮痛剤みたいな存在で、発表から既に7年経ちますがいまだに良く聞いていて、効果は衰えることがありません。


 このアルバムに収録された曲は、彼女がデビューする前から書き溜めていた曲も含まれているようですが、全てが暗く青白く光るような美しさを持った曲で、他のどのアルバムよりも出来が良い曲が揃っているように思います。中でもやはり「月光」は彼女が書いた最高の曲だと言えるでしょう。「月光」を聞いた時に、おそらく今後この曲を超える曲は書けないのではないかと思ったのですが、残念ながらそれは現時点では現実となってしまっています。このアルバムで鬼束は頂点を迎えてしまい、その後は急激に失速してしまうのでありました。


 音楽的な失速に同調するかのように事故や病気なども続き、しばらく音沙汰が無くなってしまいましたが、やっと最近になって活動を再開し始めました。しかし久し振りに聞いた彼女の歌は、声は出ていない、音程は取れていない、どんなメロディを歌っているのか全くわからない、あまりに無惨なものでした。この衰えぶりには激しくショックを受けてしまいました。こんなことなら復活しない方が良かったのかも、などと不謹慎なことを思ったりもしましたが、やっぱり応援し続けていこうと思っています…ということは先日取り上げた彼女の最新作のネタで書きましたね。


 今後彼女がここで聞かせてくれた程の輝きを取り戻せるかどうかは全くわかりませんが、とりあえずはこの作品を残したことで、彼女の名前が日本のポップス史に刻まれることになったのは間違い無いと思います。日本のポップスに興味がある人なら、一度は耳にしても良いアルバムなのではないでしょうか。


あと、コメント欄に試聴を貼り付けておきますので、よろしければお試しを。
【2008/07/03 23:00】 東アジア | トラックバック(0) | コメント(3) |
『柴田淳 「ため息」』
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 数年前の話、とある中古盤屋でブツを物色していたところ、ある歌が聞こえてきました。ピアノのイントロで始まるキレイな声の女性歌手の曲で、葛藤とか諦めが入り混じった凄まじい情念が渦巻く歌でした。誰の何と言う曲なのかは全く知りませんでしたが、強烈に耳に焼き付いてしまいました。それからというものの、耳にこびりついた「ため息ひとつ」とか「ため息ふたつ」とかいう歌詞のその曲のことが、気になって仕方ありませんでした。一体誰の曲なのか調べようと、ネットでその歌詞を検索してみたのですが引っ掛かるものは無く、しばらくは謎のままでした。


 それとは全然関係無く、ちょうど同じ頃に確かめざましテレビか何かで、柴田淳というシンガーソングライターがちょろっと紹介されていたことがありました。たまたまそのことを思い出して「柴田淳」でネットを検索してみると、「ため息」という曲を出していることを知りました。ここでピンと閃きました。もしかしたら「ため息ひとつ」とか「ため息ふたつ」とかいう歌詞の曲は柴田淳の「ため息」という曲ではないのかと。


 そこですぐにレンタル屋に行き、「ため息」が収録されたアルバムを借りました。そして「ため息」と題された曲を再生すると、それは思った通りにあの「ため息ひとつ」「ため息ふたつ」という歌詞の曲でした。やっと出会えた、という感じで非常に嬉しかったですね〜。その「ため息」が収録されたブツが、「ため息」と題された03年の彼女のセカンド・アルバムです。


 このアルバム、「ため息」以外にも素晴らしい曲が満載であります。いかにも日本的な湿っぽさを持った切ないメロディがズラリと揃っています。そんな中に遊び心を感じさせる曲とか本人演奏の短いピアノ・ソロなんかも挟み込まれていたりして、飽きさせない作りになっています。一人で静かな夜を過ごしたい時にはピッタリとハマるアルバムですね。本当に素晴らしい作品だと思います。一応彼女のアルバムは全て聞いていますが、間違いなく本作が彼女の現在の所の最高傑作だと言っていいかと思います。最近出た新作は、まだ聞いてないんですけどね。


 ただこの人、音楽的にはあまり引き出しが多い人ではないようで、これ以降はどれを聞いても似たような曲ばかりという具合になってしまうのですが、変化が少ない分安心して聞けるということも言えるわけであります。この人の場合はそれでいいんだと私は思っています。変わらない方が良いという人はやはりいるわけでありまして、例えばタイのルークトゥン歌手フォン・タナスーントンなんかもそんな人ですよね?柴田淳もフォン姫と同じタイプの歌手だと思っております(同じか?)。


 何にせよ、このアルバムが珠玉の名盤であるという事実に変わりはありません。いつでもすぐに手に取って再生できる場所に置いてある、私にとってはそういうアルバムです。聞けばその素晴らしさに「ため息」が出るブツなのであります。


あと、コメント欄に試聴を貼り付けておきますので、よろしければお試しを。
【2008/07/01 23:04】 東アジア | トラックバック(0) | コメント(3) |
『「FAYRAYのシングル」』
 早いもので、昨年の9月からこのブログを開始して、今回で200回目の更新となりました。200回記念ということで何をネタにしようかと思ったのですが、ここはやはり我が最愛の歌手、FAYRAY(以下、フェイちゃん)に登場していただくしかないかと思います。新しいアルバムでも出ていれば良かったのですが、最近は音沙汰がありませんので、過去のシングルなんかを取り上げちゃったりして…。


「TEARS」
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 フェイちゃんの最もよく知られている曲と言えば「TEARS」かと思われます。ライヴでも必ず歌われる曲のようですね。フェイちゃんのメロディ・メーカーとしての才能を最初に知らしめた曲だと言えるでしょう。しんみりしたメロディと、溢れ出る情熱を内に秘めた切々とした歌が素晴らしい名曲であります。


「BABY IF,」
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 「TEARS」の次にフェイちゃんの才能を知らしめた曲、それが「BABY IF,」でしょう。福岡でフェイちゃんのライブを見た時、アカペラで数小節だけ歌ったのですが、悶絶するほど素敵でした。


「STAY」
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 「TEARS」「BABY IF,」とリアルタイムで聞き逃してきた私が、初めてフェイちゃんの本物の才能に気づかされた曲が「STAY」です。こんなにも切なくて美しい曲を書く人なんだと、この1曲でマジ惚れしてしまいました。めちゃくちゃ美人だし。


「好きだなんて言えない」
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 私が完全にフェイちゃんの虜になってしまった曲が「好きだなんて言えない」でした。天才的な閃きに満ちたメロディ・ラインが素晴らしい!大袈裟なアレンジが玉にキズではありますが、名曲であることに間違いはありません。一番評判が良いジャケですね。私は「STAY」のジャケの方が好きです。


「TOUCH ME,KISS ME」
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 「TOUCH ME, KISS ME」です。インパクトには欠けますが、フェイちゃんの音楽的ルーツが窺える、R&B風味の曲です。


「願い」
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 フェイちゃんの曲で私が一番好きなのがこの「願い」です。地味ながらもまばゆいばかりにきらめく美しいメロディ、聞く度に心に沁みます。素晴らしいです。最高です。これさえあれば、もう他に何もいらないです(いや、そんなことはないんですけど)。


「愛しても愛し足りない」
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 ジャズやR&Bの影響がモロに出まくりの可愛い曲、「愛しても愛し足りない」です。これも良いですね〜。


「LOOK INTO MY EYES」
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 フェイちゃん哲学全開の「LOOK INTO MY EYES」です。自分の哲学を歌っているだけあって、曲は静かでも歌は情熱が溢れていますね。


「口づけ」
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 昼の不倫ドラマのテーマソングみたいな、フェイちゃんにしては珍しい歌謡曲的な曲、「口づけ」です。


 他にも色々とシングル曲はありますが、今回はこんなところで。フェイちゃんのシングルのコンプリート・コレクションを目指そうかと思う今日この頃であります。


あと、コメント欄に試聴を貼り付けておきますので、よろしければお試しを。
【2008/06/29 17:30】 東アジア | トラックバック(0) | コメント(5) |
『YAR-TAR 「TUM DAI RUE PLAO」』
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 タイのルークトゥン・デュオ、ヤー・ターの06年のアルバムです。ちなみに06年の個人的ベスト10に入賞している作品です。最近はあまり聞くことが無いブツなのですが、私が非常にお世話になっていますサリガレコードさんに廉価盤のVCDが入荷されていましたので、思わず注文してしまいました。ブツはまだ届いていないのですが、来るのが楽しみです。


 そんなわけでこのCDを聞き返しているのですが、良いですよ〜これは。毎度おなじみ(?)のイケイケお水系姉ちゃん専門レーベルのUPLからのブツなのですが、UPLらしく肌の露出の多い派手な衣装を身にまとった、ケバい化粧をした姉ちゃん2人組のジャケが良いですね。歌手を夢見て田舎から出てきた女子高生2人が、悪いスカウトに騙されて水商売に売り飛ばされてしまったかの如き哀れさが感じられます。うーむ、妄想をかき立てられるジャケですね。好みは向かって左側の娘ですが、右の娘も会社の同僚だった原口さんに似ていて可愛いなあ・・・。


 ジャケからある程度は想像がつくかと思いますが、当然の如く素晴らしくヘッポコな脱力ルークトゥンを聞くことが出来ます。素人に毛が生えた程度の歌で歌われるポップなメロディに低予算な音作りのディスコ・ルークトゥン、これは黄金の組み合わせであります。個人的にはまさに「ツボ」なルークトゥンです。いいですねえ、こういう怪作は。流石に「歌唱力なんて関係無い!ケバい化粧をして肌の露出を多くして媚びまくれば、バカな男どもが引っ掛かってくるのじゃ!」というのがモットーのUPL、常に高品位なヘッポコ作品を出してくれますね〜。ヤー・ター、最高です!ルークトゥンだけでなく、モーラムの真似事もやっていますし、所々でアマズールなんて女の子三人組レゲエ・グループを思わせる瞬間もあります(気のせいかもしれません)ので、音楽的にも結構面白いんじゃないでしょうか。


 これまた想像がつくかと思いますが、ヤー・ターの二人、このアルバム1枚を出しただけで姿を消してしまいました。2枚目が待たれるところですが、多分二度とブツを出すことはないでしょう。この二人、今頃一体どこで何をしているのでしょうか?金持ちの旦那に身請けでもされたか、それともスターになる夢破れて田舎に帰ったか、それとも地道にドサ回りでも続けているのか・・・。どなたか彼女達のことをご存知の方がいらっしゃいましたら、是非お教え下さいますようお願い致します。


オマケ写真その1。二人の顔のアップです。
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オマケ写真その2。やっぱり露出の多い衣装。
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あと、残念ながら試聴を見つけることができませんでしたので、今回は試聴の貼り付けは無しです。
【2008/06/28 13:47】 タイ | トラックバック(0) | コメント(2) |
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