『RAHAT NUSRAT FATEH ALI KHAN』
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 先日、S県のSさんがご自分のブログで今は亡きヌスラット・ファテ・アリ・ハーンを取り上げておられまして、久し振りにカッワーリーもいいなと思い、このブツを引っ張り出してきました。これはヌスラットの甥であり、ヌスラットの正式な後継者であるラーハットの01年のアルバムです。


 ラーハットと言えば思い出すのが、96年の第7回福岡アジア文化賞の受賞記念ライブであります。本来なら受賞者であるヌスラットが彼のグループを引き連れてライブを行う予定だったのですが、ヌスラットが急病の為に、急遽まだ十代だったラーハットが代役を務めたのです。演奏を聞くまでは「折角ヌスラットを見に来たのに、ラーハットなんかで本当に大丈夫なのか?」などと思っていたのですが、演奏が始まってそんな考えはすぐに吹っ飛ばされてしまいました。まさに凄絶とも言えるとてつもない激演に、完全にKOされてしまったのです。女性のような高い声で、魂を込めた歌を観客にぶつけてくるラーハット、カッワーリーのライブ中に法悦状態に陥って本当に天に召されてしまう人がいるというのも頷ける、本当に凄いライブでした。おそらくこの会場にいたどの人も同じように感じたことでしょう。


 鳴り止まぬスタンディング・オベーション、そしてライブ終了後にCD即販コーナーに押し寄せる大勢の人を見て、ラーハットの素晴らしさを更に実感すると共に、ラーハットをそこまで鍛え上げたヌスラットの偉大さを感じずにはいられませんでした。


 この凄絶なライブを体験してからというものの、ヌスラットのCDを聞いても満足できない日々が続きました。ラーハットの激演はヌスラットのCDの演奏を超えてしまっていたからです。こうなれば何としてもラーハットを育て上げたヌスラット本人のライブを体験してやる!と心に誓ったのですが、それから程なくしてヌスラットは病気で亡くなってしまい、その誓いは二度と叶えられることは無くなってしまいました。


 ヌスラットが亡くなってから、ヌスラットの遺作とされる作品はいくつもリリースされましたが、その後ラーハットの名前を聞くことはすっかりと無くなってしまいました。そして01年になって突如発売されたのがこのアルバムであります。


 このブツ、ヌスラットのアルバムとは違い、限られた収録時間の中での高揚感をもたらす為に、意識的に低音を強調した音作りをし、曲のテンポの相当なスピードアップを図ったと思われます。それが見事に功を奏して、若さが弾ける快作に仕上がったと思います。特に2曲目の「ALI DUM DUM」という曲のスピード感溢れるカッコ良さは、ラーハットでなければ為し得ないものでありましょう。


 ヌスラットの偉大さばかりが語られて、ラーハットを誉めている人など見たことがありませんが、私にとってカッワーリーはまずはラーハット、そういう存在であります。


あと、コメント欄に試聴を貼り付けておきますので、よろしければお試しを。
【2008/02/17 17:24】 パキスタン | トラックバック(0) | コメント(3) |
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