『ACEL VAN OMMEN 「SILVER LINING」』
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 プランテーションの店長さんにお薦めいただいたブツで、フィリピンのシンガーソングライター、エセル・ヴァン・オメンの08年のアルバムです。少々CDを収納しにくい構造になっている紙ジャケ仕様であります。ジャケはなかなかに可愛らしく見えるのですが、この人、どこかで見た顔だな〜というか、見覚えがある顔であります。「はて、誰だったかな?」と考えてみて、ふと思い出しました。


 このエセルさんですが、前に一度取り上げたことがあるフィリピンのロック・バンド、ムーンスター88のヴォーカルの人です。ムーンスター88は軽快なポップ・ロックを演奏する可愛らしいバンドで、とても好きだったんですよね〜。しかし最新作では突然ヴォーカルが別の女性になっていたので、抜けたエセルは一体どうしてしまったのだろう?と思っていましたが、こうやってソロ・アルバムを作っていたわけですね。おそらく、グループでは自分のやりたいことができなかったのでしょう。


 というのも、ムーンスター88の最新作はそれまでのポップ・ロック路線からややヘヴィなロックに転換しつつある作品になっていましたが、このエセルのソロはアコースティックな楽器の響きを生かしたギター・ポップ路線になっているからであります。おそらくグループの方向性と自分の方向性の違いを感じたのでしょうね。エセルの歌声はちょっと子供っぽい感じの、爽やかで可愛らしい歌声ですので、この声にはギター・ポップ路線の方が合っていると思います。この人、自分の声のことをよくわかっていて、その上でソロに転向したのではないでしょうか。


 それにしても、このアルバムを聞くと思い浮かぶのが、バービー・アルマルビスであります。天性の閃きを感じさせるポップなメロディ、アコースティック・ギターの音を生かした朝の太陽の光を思わせるようなキラキラとした音の響き、ちょっと舌足らずな感じの可愛らしい歌声、バービーを思い出させる要素が多々あるのですが、単なるバービー・フォロワーという感じではありません。それどころか、バービーに引けを取らない位に抜群のポップ・センスを感じさせてくれます。うーむ、この人、こんなに素晴らしい才能を持っていたんですね。知りませんでした。能ある鷹は爪を隠すと言いますが、能ある鷹が爪を出した作品ですね〜。


 このブツ、アジアン・ポップ好きだけでなく、ネオアコとか渋谷系とかがお好きな方にもお薦め致します(くりんさん、お薦めですよ!)。その辺がお好きな方のツボを突いてくるアルバムなのではないかと思います。機会があれば是非!


あと、コメント欄に試聴を貼り付けておきますので、よろしければお試しを。
【2008/08/07 21:19】 フィリピン | トラックバック(0) | コメント(3) |
『KITTY GIRLS 「KITTY GIRLS」』
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 プランテーションの店長さんにお薦めいただいたアルバムで、フィリピンのキティ・ガールズの07年のアルバムです。ジャケからすると、セックス・ボム・ガールズのようなフィリピンにありがちな露出過多系へっぽこガールズ・グループのように見えるのですが、音を聞いてみると、これはメチャクチャに素晴らしいですよ!


 もちろんジャケの通りに露出過多系のガールズ・グループではありますが、出てくる音がメチャクチャにカッコいいのであります。音の傾向としては今時のアッパーなR&B系ではあるのですが、この音から噴き出してくるエネルギー量が半端ではありません。超ノリノリのパーカッションを取り入れた1曲目・2曲目なんかは、破壊力満点ですよ。


 この手のグループにありがちなのは歌が下手っぴーということが挙げられますが、この連中はかなり歌えるというのも非常にポイント高いです。ソロでもOKですし、しっかりとコーラスを決めることも朝飯前という感じなんですよね。アッパー系のノリノリの曲には当然の如くバッチリハマる歌なのですが、最も良かった頃のグロリア・エステファン(具体的には「CUTS BOTH WAYS」の頃です)を思わせるようなミディアム調の曲もしっかりと歌っていますし、まるで一流のゴスペル隊と思わせるようなエネルギーを感じさせる曲なんかも見事に歌いこなしています。相当に力のある連中だと思います。


 この連中のことを、単なる露出狂グループだと侮っていたら大損こきますよ。個人的にはメリケンのR&Bグループのアン・ヴォーグってめっちゃ好きなのですが、これがあればアン・ヴォーグなんて全く必要無くなってしまいますね。これはこの手のガールズ・グループに贈る最大級の賛辞です。心底感服致しました!


 それにしてもプランテーションの店長さん、いつものことながら本当に素晴らしいブツをお薦め下さいます。やはり本当に信頼できる方ですね〜。こういう方がいらっしゃるワールド系のお店が九州に欲しい!と思う今日この頃。でも無いので、年に数回しか行けませんけど、プランテーションには通い続けます。


あと、コメント欄に試聴を貼り付けておきますので、よろしければお試しを。
【2008/08/03 21:20】 フィリピン | トラックバック(0) | コメント(5) |
『DIANNE ELISE 「NOW & THEN」』
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 フィリピンのポップス歌手、ディアンヌ・エリースの07年のアルバムです。このブツ、とあるネット・ショップで見つけたのですが、少々小さめのジャケ写を見た時に、何だか浜崎あゆみに似ているように思えて「フィリピンの浜崎あゆみなら聞かねばなるまい!」ということでゲットしてしまいました。実際にブツが届いてジャケを見てみると、あまり浜崎あゆみには似ていませんでした…。浜崎よりはむしろ、つかもと友希に似ているかも?なんて、どうでもいい話であります。つかもと友希が誰かなんて、余計なことは調べないで下さいね。誰に似ているにせよ、キリッとしたキレイな顔をしていることに間違いはありませんけど。


 まあそんな理由で買ったブツですので、中身の方に期待していたわけではありません。曲目を見ても13曲中12曲が英語のタイトルですから、どうせフィリピンの女性歌手にありがちなメリケンR&B風の声張り上げ熱唱タイプの歌手なんだろうな〜とタカをくくっていました。


 しかし実際に聞いてみると、かなり様子が違いますね。ピアノやストリングスを使った、スロー〜ミディアム・ナンバーを中心とする、アダルトチックなムーディでオシャレなポップスであります。ジャジーでちょっとボサノバっぽい要素も持っている、まるで午後のティータイムをオシャレに演出してくれるかのような音楽なんです。または、夜のリラックスしたひと時をあなたに、という感じと言えばいいでしょうか。私は結構この手の音は好きですね〜。


 顔から判断するに、ディアンヌってまだ若いのではないかと思うのですが、歌は相当に上手いです。ちょっとハスキーながらも軽やかで品のある歌声は、マレーシアのシーラ・マジッドを思わせるところがあります。決して声を張り上げたりすることが無い涼しげな歌声なのですが、ワーッと歌い上げようと思えばいくらでもできる力を持っているけれども敢えてそれをせず、意識して情熱を内に秘めているような抑制の美を感じさせる歌であります。そこからしっとりとしたソウルが感じられますね。素晴らしい歌手ですよ。


 欲を言えば、タガログ語の歌をもっと増やして欲しいということでしょうか?フィリピンの人達にとっては、英語だろうとタガログ語だろうとどっちでもいいんでしょうけど、個人的には独特の響きを持ったタガログ語で歌ってもらった方が嬉しいです。それは今後の作品に期待したいところですね。


 ジャケ写が浜崎あゆみに似ているからというだけの理由でゲットしたブツではありますが、意外にも大変な掘り出し物でありました。いいですね〜、こういう期待ハズレって。だからジャケ買いはやめられません。ジャケ買いは音盤マニアの醍醐味でやんす♪


顔のアップです。
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【2008/07/06 20:07】 フィリピン | トラックバック(0) | コメント(1) |
『KITCHIE NADAL「LOVE LETTER」』
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 フィリピンの女流シンガーソングライター、キッチー・ナダルの待ちに待った新作がついに出ました!フィリピン音楽界の至宝、バービー・アルマルビスが産休で現在休業中ですから、個人的には妹分的存在のキッチーに大きな期待を寄せているのであります。


 前作のミニ・アルバムについては今年の2月13日に取り上げましたが、その時に「ダイナミックな奥行きの深さが加わって、一躍フィリピン・ロック界のトップに踊り出てきた」と書きました。そして「ここまでの深化を見せつけられると、ミニ・アルバムでは満足できない」とも書きました。そして発表されたのがこのブツなのですが、前作で聞くことができた深化した世界を、フル・アルバムのスケールで展開してみせてくれています。これは凄い作品ですよ!


 モジョフライでバンド活動していた頃やソロ・デビューした頃と比べると、バンド・サウンド的な展開はめっきり陰を潜めてしまったのですが、その代わりプログラミングなんかを多用したじっくりと練り込んだ音作りによって、よりパーソナルな内面世界を美しく表現するようになってきました。曲によってシタールやピアノやアコギなんかの音を実に効果的に使いながら、クラクラしてくるようなめくるめく幻惑的な音世界を展開しています。これは非常に妖しくも魅力的な世界ですね。元々淡々としたダークな音が持ち味の人だけに、この浮遊感のある内向的な音作りとは抜群に相性が良いようであります。この音は、ピーター・ガブリエル先生を思い出させるところがありますね。


 これまでのキッチーの歌は、斜に構えたような皮肉っぽい表情を持った歌い口だったのですが、このアルバムで聞ける歌は淡々としていて非常に素直に感じられ、これまであまり感じられなかった優しい表情を聞き取ることができます。彼女に一体どのような心境の変化があったのかは知りませんが、音作りだけでなく歌の方も更なる深化を遂げています。うーむ、素晴らしい!


 これまで私はキッチーのことを、バービー・アルマルビスの妹分的存在だと思っていましたが、ここで聞けるキッチーにはどうやらこの表現は適切ではなくなってきているような気がします。比較対象としては、シンシア・アレクサンダーを挙げる方が相応しいかもしれませんね。何にせよ、キッチーがこれ程までの深化を遂げるなんて想像もしませんでしたが、どうやらフィリピン音楽界のホンモノの怪物がまた一人、目を覚ましてしまったようですね。


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【2008/06/16 22:21】 フィリピン | トラックバック(0) | コメント(1) |
『TRUEFAITH 「DREAM JOURNAL:THE VERY BEST OF TRUEFAITH 1993-2007」』
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 フィリピンのロック・バンド、トゥルーフェイスの93年から07年までの曲を集めた2枚組のベスト盤です。このバンドについてはあまりよく知らないのですが、結構長い間活動しているんですね。イレイザーヘッズなんかと同時期に活躍していていまだに生き残っているわけですから、地元では安定した人気があるのでしょう。日本でも数は少ないながらも根強いファンの方はいらっしゃるようですね。確かプランテーションの店長さんも、凄く良いとおっしゃっていたはずです。


 このバンドの音楽は、ロックと言えば確かにロックなのですが、もっと大人のロックと言いますか、AOR的な滑らかさと柔らかい肌触りを持っています。ロックの中にソウルとかボサノバなんかの要素をさり気なく取り入れて、とてもクールでオシャレな音を聞かせてくれます。瑞々しい新鮮さを感じさせるメロディ作りはまさに職人芸といった感じですし、聞くほどにバランス感覚の取れたセンスの良さを感じさせてくれるバンドだと思います。欧米のバンドで言えば、スタイル・カウンシルなんかを思わせるところがありますね。しかもスタカンなんかよりも演奏力は遥かに上ですから、こちらの方がずっとカッコいいです。


 しかし、私なんかにとっては、聞いているうちにこのバランス感覚の取れた音が段々と物足りなくなってくるのも事実です。あまりの破綻の無さが、ちょっと退屈になってくるわけです。噴き出してくるようなエネルギーとか情熱みたいなものを感じさせるような瞬間があればもっと印象は違ってくるのでしょうが、あくまでクールに淡々と曲が進んでいきますので、引っ掛かりが少ないんです。まあこれは単に私の好みの問題ですので、こういう音楽が大好きだという方もたくさんいらっしゃることでしょう。彼等の音楽がとても良いということは認めますが、だからといって大好きだとは言えない、そういう複雑な心境なのであります。


 ただ、私が何と言おうと、トゥルーフェイスが優れたロック・バンドであるという事実に変わりはありません。フィリピンの音楽でセンスの良いものは何かある?と聞かれたら、私は彼等の名前を挙げると思います。欧米のロックやポップスばかり聞いている人にも、是非お薦めしたいバンドだと思っています。大好きではないけれども人にはお薦めしたい連中、それが私にとってのトゥルーフェイスというバンドなのであります。


あと、コメント欄に試聴を貼り付けておきますので、よろしければお試しを。
【2008/06/13 22:29】 フィリピン | トラックバック(0) | コメント(3) |
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