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2020’05.15・Fri

THE FURROW COLLECTIVE 「FATHOMS」

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 イギリスの女3・男1のトラッド・バンド、ファロウ・コレクティヴの2018年のアルバムであります。イングランドとスコットランドの混成バンドらしいですが、誰がどっちなのかは定かではありません。おそらくイングランド2、スコットランド2の割合かと思われますが、曲によってイングランド風だったりスコットランド風だったりするのは、混成バンドならではのモノでありましょう。メンバーの中で一番名が知れているのは、バンジョーやコンサーティナを弾くエミリー・ポートマンと、ハーピストのレイチェル・ニュートンでしょうか?わっちは各々がソロとして活動しているのは知っていましたが、このグループのメンバーだったとは存じませんでした。

 このバンドがヤッテいる音楽はフォーク~トラッドでありますが、伝統的な楽器の音をを生かしつつ、結構大胆にシンセやらエレキギターやらを導入して、奥行きのある音作りをしていますね。まあこういう音作りは今時珍しくも何とも無いんですけど、このバンドの音楽には独特のメランコリックな雰囲気がありまして、何だか胸が締め付けられるような寂しさと言いますか、哀愁があるんですよ。そこがこの連中の最大の魅力だと言ってよろしいかと思います。エレキな音作りの割りに派手さは一切ありませんし、こういう内省的な音に惹かれる人って多いかと思いますので、幅広い層にオススメ出来るかと。

 ちなみに男も女も歌いますけど(もしかしたら全員が歌える?)、誰のヴォーカルにせよ静かに思索しているような歌い方で、とてもソフトで耳に優しい聞き心地であります。通常であれば、わっちは「おっさんの歌声なんて要らん!」と思ってしまうのですが、このバンドの場合はおっさんの歌声があっても全然問題無いですね。寧ろ良いアクセントになっていると感じられまして、おっさんの歌があった方がイイかな~なんて思ったりして。勿論女性達のコーラスも美しいですし、なかなかに聞き所が多々ある作品かと存じます。

 イングランドやスコットランドにトラッド・バンドは多々ありますが、中でもこのバンドはかなり優れていると感じられますね。カパーケリーやウォーターソン&カーシー一族等々の良いところを吸収しつつ、独自のメランコリックな音楽を作り上げているのは、実に素晴らしいと思います。コレは要注目のバンドですね!

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2020’05.14・Thu

JENNY STURGEON「FROM THE SKEIN」

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 スコットランドの女子2・男子1の3人組トラッド・バンド、ソルト・ハウスの鍵盤弾き(ギターも弾きます)兼歌手、ジェニー・スタージョンの今年発売のソロ・アルバムであります。ソロとしてはコレが初めての作品かと思います。ソルト・ハウスの作品はその内取り上げるとして、「チョウザメ」なんて変わった名前を持つジェニーさん(芸名ですか?)のソロでありますが、グループでそこそこキャリアを積んで来ただけのことはあって、デビュー作にして完成度の高い作品を出して来ましたね。

 な~んて知ったかぶりをしていますが、実はわっちはジェニーさんがソルト・ハウスのメンバーだったなんて、ネットで検索するまで全然気付かなかったんですよね~。たまたまSPOTIFYで今回のアルバムを見つけて聞いてみたところ、無伴奏バラッドや純トラッド演奏もありつつトラッド風ポップスもあり、かと思えばインド音楽の歌手と共演してみせたりしていて、「コイツ、なかなかヤルな」と思って調べてみたらソルト・ハウスのメンバーだったというワケであります。まあ日本でソルト・ハウスなんて言ったところで、誰にも話は通じませんけど。

 結構幅広い音楽性を聞かせてくれるコチラのアルバムでありますが、そうは言ってもまず耳に残るのは、ジェニーさんの歌声です。声の傾向としてはドロレス・ケーンを思わせる、な~んて言うとちょいと大袈裟過ぎますね。落ち着きのある歌声は何となくドロレス・ケーン風ですけど、そこまでどっしりとしてるワケではなくて、声自体はもうちょっと軽やかであります。ただ、響き成分少な目の歌声ですので、トラッド系の女性歌手に良く使われる「麗しの歌姫」なんて言葉が相応しいタイプではありませんけど、結構しっとり感がある歌声なんですよね~。これでもうちょい歌い口が柔らかければバッチリなんですが・・・。

 まあそんな歌声でスコティッシュ・トラッドの流れを汲んだ美しいメロディの曲を歌っているワケでございまして、わっちが好きにならないはずはないってタイプの音楽であります。しかもトラッド以外の要素を意外に大胆に取り入れつつも、全体としては見事にスコティッシュ・トラッド作品になっていまして、なかなか充実した仕上がりであります。う~む、ヤルじゃないですか、チョウザメ・ジェニーさん! ソルト・ハウスよりも出来は良いんじゃないですか?

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2020’05.13・Wed

ERIN BODE 「HERE AND NOW」

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 夜寝る時になると、何故か鼻が詰まってしまってちゃんと眠れず、寝不足のころんでございます。どなたか、鼻の通りを良くする方法をお教え下さい!というワケで、アメリカのシンガーソングライター、エリン・ボーディーの2017年のアルバムであります。この人の音楽って基本的にジャズの括りになっているかと思いますが、ジャズなんて狭くて堅苦しいジャンルに押し込めてしまうには実に惜しい、ジャズ風味のエヴァーグリーンなポップスをヤッテいる才女であります。ノラ・ジョーンズをジャズの人と捉える必要が無いのと同様で、エリンさんをジャズ歌手なんて考える必要は全くありません。

 エリンさんの2008年盤はこのボログでも取り上げましたけど、アコースティックな質感を大事にした室内楽的な美しいポップスに仕上がっていて、わっちは大好きなんですよね~。まあそれ以降はエリンさんのことなんてスッカリと忘れていたんですけど、たまたまSPOTIFYで名前を見かけてこのアルバムを聞いてみたところ、相変わらず素晴らしかったので、思わず取り上げてしまった次第であります。

 今回のアルバムはカバー集になっているそうで、わっちは知らない曲ばかりなんですけど、とにかくイイ曲がズラリと揃っていますね!それをエリンさんらしいジャズ風味のある室内楽的な美しい響きのアレンジで聞かせてくれるのですが、コレが本当にステキなんですよ。「心に沁み入るオール・タイム・グッド・ミュージック」などとワケのわからないことを口走りたくなる、極上のポップスに仕上がっているのであります。エリンさんの歌声はますます優しく心地好くなりまして、もうわっちの耳はエリンさんに鷲摑みにされてしまいました~♪・・・って、「鷲摑み」って言葉を使うと優しいイメージが台無しになりますね。

 まあイジワルを言えば、この手の音楽っていつの時代にもある珍しさも新しさも無い普通のポップスってことになるんでしょうけど、わっちは歌が良くて曲が良くて演奏が良いポップスであれば何も文句はありません。昨年聞いてハマってしまったスザンナ・ホフスの「SOMEDAY」なんかと並んで、宝物のように大切にしたいポップスに出会った気分であります。

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2020’05.10・Sun

LESLIE STEVENS 「SINNER」

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 おそらくアメリカの歌手だと思いますが、レズリー・スティーヴンスの昨年発売のアルバムであります。「おそらく」と書いているのはネットで検索しても全然情報が無いからですが、ヤッテいる音楽がカントリー~フォーク系ですので、多分アメリカ人なんじゃないかな~ってことで。でも最近は如何にもアメリカの歌手という顔をしておいて、実はオーストラリア人でした~なんてこともあったりしますからね~。SPOTIFYって色々聞けて本当に有り難いですけど、もうちょっと歌手とかグループとかの情報を取り込んで欲しいと思います。

 という話はさておきコチラのレズリーさんでありますが、ヤッテいる音楽はカントリーやフォーク系の快活なポップ・ロックとなっておりまして、この手の音楽が好きなわっちとしましては、なかなかに気分良く聞ける仕上がりとなっております。こっそりと(?)ブルースやR&Bの要素が入って来ているのも嬉しいポイントですね。歌声はわっちの大嫌いなスティヴィー・ニックスに似た感じがちょいとあるものの、ニックスみたいに下品ではありませんし、ちょっと子供っぽい可愛らしさがありますので、抵抗無く聞けると言いますか、結構好きな歌声です。何だか人の良さを感じさせますし。それだけに、もうちょっとこの人のことを知りたいな~などと思ったりもしまして、情報が無いのが残念なのであります。

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2020’05.09・Sat

SHELAGH MCDONALD 「ALBUM」

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 スコットランドの歌手でありソングライターでもあるシェラ・マクドナルドの、1970年発売のアルバムであります。SPOTIFYで見つけた歌手ですが、この人の名前とジャケットはどこかで見た記憶があるんですけど、一体どこで見かけたのか、よくわかりません。もしかしたらどっかの中古盤屋の壁に飾ってあって、1枚数万円の値がついたLPってことで記憶があるのかもしれません。

 今回のアルバムは、昨日取り上げましたティア・ブレイクと同じく、フォークの名盤として語り継がれて来た作品らしいですね。とは言ってもこのアルバムは純粋なフォークとは違っていて、勿論純フォークもあったりしますけど、電化トラッドみたいなロック路線の曲も多々ありまして、味わい的にはフェアポート・コンヴェンションとかペンタングルに近いモノがあるかと思います。70年代前後って電化トラッドが勢力を増し始めた頃ですので、このアルバムからも当時の勢いみたいなモノが感じられるのが面白いですね~。

 ただ、ぶっちゃけ言いますと、わっちは70年代に勢いを得た電化トラッド、例えばペンタングルとかスティーライ・スパンですが、実は苦手なんですよ。魅惑の女性ヴォーカルと言われたジャッキー・マクシーやマディ・プライアーの硬い歌い口も苦手なら、電化された演奏の硬い表情も好きではなくて、聞くならプランクシティみたいなバリバリ硬派のアコースティック・トラッドが良いと思っていましたので。でも現在の耳で聞けばシェラさんの電化トラッド路線も十分に魅力的だと感じられますので、今後はあの頃の電化トラッドも色々と試してみようかな~と思う、今日この頃なのであります。

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