2017’04.20・Thu

NOBUYO 「LAGRIMAS」

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 多分日本人の歌手なんだと思いますが、NOBUYOという人の2012年のアルバムであります。この人が何者なのかは全く知りませんが、これまで何度かジャケを見かけたことがあって気にはなっていたんですけど、今回ブックオフの280円棚で見つけましたので、試しにゲットしてみた次第であります。ジャケの写真からすると日本風の名前の東南アジア人だと思っていたのですが(ベトナム人かと思いました)、おそらく日本人ではないかと思います。そんな得体の知れない人がメキシコでこの盤をリリースしているワケなんですが、一体どういう事情でこんなことになったのか、定かではありません。中にはスペイン語で何やら文章が書いてあるんですけど、さっぱりわかりませんし(あの恐ろしい2011年の津波、とか書いてありますが)。

 そんな不思議歌手のNOBUYOさんですが、メキシコでブツを出していますのでマリアッチとかの如何にもなメキシコ音楽をヤッテいるのかと思いきや、ピアノやギターを中心とした静謐な音をバックにしっとりしたスペイン語やポルトガル語の曲を歌っておりまして、ますます一体何者なのかワケがわからなくなって来るんですよね~。超有名曲の「ククルクク・パローマ」があるかと思えばアマリア・ロドリゲスの「ラグリマ」なんかも取り上げたりしていますし、かと思えばタンゴ歌謡もありますし、ラストは日本語の曲だったりして、一体何故わざわざメキシコでこんな盤を出したのか、謎が謎を呼ぶ不思議盤って感じですね。メキシコにはこういったラテンしっとり歌謡の、一定の需要があるんでしょうかね~?

 まあその辺の事情は全くわからないとは言え、NOBUYOさん自身の歌は本格的なスペイン語歌謡(ポルトガル語も含む)でありまして、ちょいと翳りのある湿った情緒が感じられる歌はなかなかに魅力的だと思います。ヤッテいるのはマイナー調のラテンしっとり歌謡でありますが、こういう物悲しげな歌がお好きな人は、日本人には結構いらっしゃるんじゃないかと思います。しかもラテン音楽らしさを演出するパーカッションを基本的に全然使っていませんので、哀愁漂う美しいメロディが強調されていますから、ますます日本人好みなんじゃないかと感じられますね。まあNOBUYOさんはそんなに上手いという歌手ではありませんけど、歌にシッカリと情感を込められる人だと思います。

 何にしても、一体何が何だかよくわからない盤ではあります。しかしラストの日本語の「MANGETSU-NO YUBE」という曲を聞くと、おそらく2011年の大震災を受けて出されたアルバムなのかという気はしますね。復興を願う内容のこの曲を聞いていると、アルバム全体があの大震災の犠牲になった方々への鎮魂歌として捧げられているのかという気がして来まして、そう考えると全編が静謐なしっとり歌謡になっているのも納得が行きます。まあ真意の程は定かではありませんけど、アルバムを丸々1枚聞いて初めてその意図がわかったような気になれる盤でありますね~。
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2017’04.11・Tue

AMARU 「EL EMBRUJO DE LA SAYA」

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 「アマル?何じゃそりゃ?」、ブックオフの洋楽の「A」のコーナーを見ていてブツを抜き出してみると、若いんだか歳食ってんだかわからないおっさん6人が写ったジャケ。一体何者なのかは全くわかりませんが、裏を見てみるとBOLIVANAなんて記載がありますので、多分ボリビアの音楽だろうということで、珍しいのでゲットしてみました。1997年に発売されているコチラの盤ですが、南米の音楽は多々リリースされているものの、近年のボリビアのポピュラーミュージックなんて話題にもなりませんし、当然ながらわっちも全然知りませんから、興味津々でゲットした次第でございます。

 ってことでワクワク気分でブックレットを見てみると、曲名の横にウァイノだのクエーカだのモレナーダだのトナーダだの、色々とワケわからない形式名(?)が書いてあってますます興味津々!楽器の編成はチャランゴ、ギター、エレキベース、ケーナ、パーカッションってことで、ヤッテる音楽はフォルクローレ以外に考えられないワケなんですが、再生してみますと思った通りの音楽が飛び出して来ました。一言で言えば「現代のフォルクローレ」ってことになるんでしょうけど、昔ながらの伝統を受け継ぎながら少々の電気楽器なんかも取り入れて、スッキリとモダンに仕上げているって感じですかね~。フォルクローレって素朴で地味だけど滋味ってイメージがあるかと思いますが、この連中は軽快なスピード感と洗練された爽やかさがあって、かなりカッコいいと思いますね~♪

 ところでこのアマルというグループのことをちょいと検索してみたのですが、あまり大した情報は出て来ないんですけど、ボリビアでは人気のある実力派の現代フォルクローレ・グループのようであります。アルバムも色々とリリースしているようですが、この連中がボリビアのポピュラー音楽を代表するような存在なのかどうかはわかりません。そもそもボリビアのポピュラー音楽の状況なんて全くわかりませんし。しかしこの連中がヤッテいる音楽が魅力的であるということに間違いはなく、リズムを刻むチャランゴの音やキラキラと輝くようなギターの音色は実に美しいですし、軽快な躍動感に足枷するようなフォルクローレ独特の引き摺るようなリズムもいい感じ。そして特に魅力的なのが、良く響く声で朗々と歌うヴォーカルであります。まるでメキシコのコーラス・グループみたい、なんて言うと語弊があるかもしれませんが、本当に良い声で歌うんですよ!コレは一聴の価値ありだと思いますね~。

 フォルクローレって日本では意外なほど人気がありますけど、入手出来るブツってアタウアルパ・ユパンキとかメルセデス・ソーサとか、あとはケーナのインスト盤等々、結構特定の音源に限られているかと思いますが、アマルみたいなモダンな感覚を持ったステキなグループのブツは、是非とも日本でもちゃんとリリースして欲しいモノだな~と思います。そりゃあバカ売れするような音楽ではありませんけど、日本人の心には響く音楽のはずですから。

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2017’03.31・Fri

DIABLOS DEL RITMO~THE COLOMBIAN MELTING POT 1960-1985

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 かの有名な(?)アフロ・レアグルーヴ専門レーベル、アナログ・アフリカが制作したコロンビア音楽の2枚組編集盤であります。2012年の盤ですね。アナログ・アフリカはその名の通りアフリカのレアグルーヴをアナログで復刻するレーベルですが、アナログだけでは売上的に厳しいようで、CDも発売しています。わっちがゲットしたのは当然CDですが、アナログプレーヤーを持っていないわっちとしましては、CDを出してもらわないと聞きようが無いんですよね~。

 ところで、アナログ・アフリカという名前のクセに今回のブツはコロンビア音楽なんですが、何故コロンビア音楽なのかはよくわかりません。コロンビアは南米の中では比較的アフリカ色の強い音楽が根付いている国として知られていますが、特にクンビアは黒人系音楽の代表ですし世界的に大流行しましたから、コロンビア音楽であれば商売的に成り立つと判断したのでありましょう。だからと言って収録されているのはクンビアばっかりなんてことはなくて、1枚目はアフロビートとかロックやファンクなんかの影響が強い70年代の音源を中心に、2枚目はクンビアとかそのバリエーションみたいな音源を収録していますが、コレがまたなかなか面白いんですよ!

 特に1枚目なんですが、言われなければコロンビアの音楽だなんて全くわからなくて、聞いた感じでは殆どアフロビートとかのアフリカ音楽であります。そのビート感覚はクンビアみたいなショボくて貧乏臭いモノでは全くなくて、もっと激しくて性急であります。これらの音源は多分コロンビア北部の沿岸地域(クンビアの故郷ですな)から集められたのだと思いますが、クンビアでは物足りない人達の日々の憂さ晴らしとして、こういう激しくて性急なビートを持った音楽が求められていたのでありましょう。この地域は黒人が多い場所ですから、アフリカ音楽に近いモノが普通に受け入れられたのだと思われます。面白い曲が多々入っていますけど、特に5曲目の前半部分なんかはアフロビートとクンビアが合体したような感覚があって、めっさ興味深いですね~♪

 2枚目はグッとラテン音楽らしくなって来るんですが、単純に丸っきりクンビアという音源だけを収録しているワケではなくて、サルサとかマンボと合体したかのようなミクスチャー感覚溢れるモノや、ハチロクっぽいポリリズム感覚のある曲なんかもあって、よりアフロなアプローチをしている音を聞くことが出来ます。その辺は流石にアナログ・アフリカ制作の盤なのかな~って気がしますね。勿論貧乏臭くてショボクレた典型的なクンビアもありますけど、この盤を聞いているとクンビアって色々なバリエーションを持った、なかなかに逞しい音楽なのかな~って気がして来ますね。ちょっとクンビアに対する認識が変わったかも?

 まあ何にしても、この2枚組を聞くことでコロンビア音楽の奥深さにますます興味津々となってしまった、今日この頃なのでやんす!

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2017’03.29・Wed

THE MAMBO KINGS

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 「マンボ・キングス~わが心のマリア」という1992年の映画のサントラ盤であります。こんなタイトルの映画があるのは知っていましたが、見たことはありませんし当然サントラも聞いたことはありません。先日ブックオフの280円コーナーを見ていた時に偶然発見したんですけど、曲目を見るとセリア・クルースとかティト・プエンテ、リンダ・ロンシュタット、ベニー・モレー、ロス・ロボスなんて名前がありましたので、思わずゲットしてしまった次第であります。映画には興味ありませんけど、サントラにこれだけのメンツが揃っていたら、ラテン好きなら手が出てしまいますよね?

 別にどうでもいい話なんですが、わっちは以前から探しているブツがありまして、それは「メトロポリス」という映画の80年代に出たサントラ盤なんですけど、フレディ・マーキュリーとかボニー・タイラーとかが歌う曲がなかなか強烈で、是非ともゲットしたいと思って既に何年も探し続けているんですけど、未だに出会っておりません。まあタワレコのサントラコーナーとかならすぐに見つかるのかもしれませんが、高い値段を出して新品を買う気はありませんので、ブックオフあたりで見つかればな~と思っております。そんなワケでサントラコーナーを見ることがたまにあるのですが、今回も「メトロポリス」を探していて、たまたま「マンボ・キングス」を見つけたのでありました。

 という激しくどうでもいい話はさて置き「マンボ・キングス」でありますが、凄いメンツが揃っているだけに当然の如く間違いの無い仕上がりになっております。貫禄のセリア・クルース、快活なティト・プエンテ、美しいリンダ・ロンシュタット等々、どうやったってスベリようが無いのですが、この映画の為に結成されたのかどうかは知りませんけれども、マンボ・オール・スターズというバンドの演奏も実にイイ音で鳴っています。短い曲が多いので、次から次へ場面が展開して行くような感覚がある盤ですけど、それがサントラ盤らしくてよろしいのではないかと思います。

 曲も間違いの無いモノが揃っておりますが、特にセリア・クルースが歌う「グアンタナメラ」には感激してしまいますね~。リンダ・ロンシュタットの「キエレメ・ムーチョ」もめっさ美しいですし、俳優のアントニオ・バンデラスが歌うタイトル曲「わが心のマリア」が哀愁タップリの仕上がりでこれまためっさステキですし、言う事無しの盤になっていると思います。まあ、あまりに良く出来ていますので、1回聞けばもう安心してしまって繰り返し聞いたりすることは無いような気がしますけど、ラテン音楽入門盤には適している優れモノだと思います。

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2017’03.27・Mon

GUACO 「LO MEJOR DE GUACO」

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 ベネズエラのバンドでありますグアコの、1990年発売の12曲入りベスト盤であります。このボログではちょいちょいグアコのブツを取り上げていますが、その度に「クールでカッコいい」と褒めまくっているかと思います。そうなんです、グアコって本当にクールでカッコいいんですよね~。伝統的な音楽を引き継ぐラテンのバンドで、シンセとかエレキ楽器なんかを大々的にに取り入れてサウンドの現代化を図り、ロックとかファンクとかの要素も取り入れつつ伝統的な音楽の良さを失わないどころか更に強化しているなんて連中は、グアコぐらいしかいないんじゃないですかね~・・・なんて言えるほどラテン音楽を聞いているワケではありませんけど。

 まあわっちがこんなことを言ったところで誰も信用してくれないのはわかっていますが、その昔日本で発売された「マドゥーロ」や「グアキッシモ」、「これがグアコだ!」のような素晴らしいアルバムにも収録されていた曲をいくつも含んでいるこのベスト盤は、グアコのカッコ良さを実感するにはうってつけの作品になっていると思います。機会があれば是非耳にしていただきたいのですが、今時こんな盤を簡単に入手出来るワケありませんね。わっちはつい先日、北九州のとある中古盤屋で300円ちょいでゲット出来たんですけど、もしかしたら中古盤屋を丹念に探せば見つかるかも?・・・って、こんな盤を丹念に探す人がいるはずありませんね。失礼致しました~♪

 それにしてもグアコの音楽のカッコ良さって、一体どう表現すれば聞いたことが無い方々に伝わるんでしょうかね~。言葉で表現出来る程の文章能力を持たぬわっちは、もどかしいばかりなのでありますよ。だってこんなに素晴らしくカッコいいバンドがラテン・マニアにしか知られていない存在だなんて、めっさ勿体無いじゃないですか。まあそんなことを言い出せば、超絶素晴らしいのにマニアにしか知られていない連中なんて他にも多々いますけど(例えばリンガラのフランコ先生とか)、複雑なポリリズムを叩き出しつつメロディはポップで親しみ易く、伝統を受け継ぎながらもサウンドは現代的&クールでカッコいいバンドなんて、もっと幅広く聞かれて然るべきだと思うのでありますよ。

 グアコの音楽のベースになっているのは、マラカイボ地方のガイタという音楽でありますが、ガイタ自体が楽器や音楽性の現代化に耐え得る奥の深さを持っているのでしょうね。そして、グアコというバンドの異要素のミクスチャー能力がとてつもなく優れているのだろうと思います。だからこその、このカッコ良さなんでしょうね~多分。そんなグアコのカッコ良さを存分に味わえるこのベスト盤は、グアコ入門編としては最適だと思いますので、日本のレコ会社はいつでもこの盤をゲット出来るようにしておいて下さい。J-POPの下らないベスト盤ばかり出しているヒマがあれば、グアコのベストを出して下さいね!絶対に出ることは無いと思いますけど。

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