2007’09.30・Sun

BOONTA MUANGMAI「RUB PARK DAI BOH」

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 四国旅行から帰ってきたばかりで、ヘロヘロに疲れている、ころんでございます。高速を使わずに行く(しまなみ海道は使いました)片道640キロの車の旅は、1日で走るにはやはり相当にキツイです。車の中では色々な音楽を聞くのを楽しみにしていたのですが、車のCDプレーヤーの機嫌が悪く、持って行ったCDのほとんどを再生してくれませんでした…。今回はカーステレオが再生しくれなかったブツの内の1枚を取り上げたいと思います。


 ルークトゥンの中堅レコ会社であるSUREレーベルと言えば、大物フォン・タナスーントンが所属していますが、フォンを含めた三本柱として、若手の将来有望株であるアム・ナンティヤー、そして中堅どころで非常に優秀な歌手であるブンター・ムアンマイがいます。この三人の中にあってはお姫様のような大物と若くて可愛い娘に挟まれて、ブンターは一番地味な存在になってしまっているように思われますが、歌は一番上手いと言っていいでしょう。


 この人の魅力は何と言ってもまずは、モーラムでもルークトゥンでも、アップテンポでもスローでも、何でも軽々と歌いこなす歌の力量ですね。どんな曲でも自然にサラリと歌ってしまう歌唱力は相当なものがあります。澄んだ声もしっとりと落ち着いていて美しいですし、ほんのりとした色香も漂ってきて、ほとんど非のうちどころが無いといった感じです。ただ、そのあまりに折り目正しい優等生なところが、人によっては物足りなさに繋がるかもしれませんが、個人的には大好きですし、女声ヴォーカル好きには自信を持ってお薦めしたいですね。


 彼女のソロ・アルバムはこれで3枚目になりますが、本作はこれまでの美しさに更に磨きがかかって、絹のように滑らかな肌触りに思わずウットリとしてしまいます。しっとりとした情感が溢れるスローテンポの曲が中心ですが、カントゥルムのソー(胡弓)が使われている曲もありますし、ノリの良いアップテンポの曲も入っています。洗練されてはいますが過度に都会的になることはなく、田舎っぽい雰囲気もちゃんとあります。アルバムとしての構成のバランスもバッチリ取れていますし、文句無しの出来上がりだと思います。


 このアルバム、本当に素晴らしいです。発売は06年末ですが、今年の個人的なベスト10の対象にするなら、入賞の有力候補です。アム・ナンティヤーの今年のアルバムと肩を並べる秀作だと言っていいと思います。


 そう言えばフォン姫の新作もつい最近出たようですし、これまた出来上がりが非常に楽しみな作品ですね。もしかしたらSUREレーベルの歌姫三人衆が、三人とも今年の個人的ベスト10に飛び込んで来たりして。
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2007’09.26・Wed

CYNTHIA ALEXANDER 「INSOMNIA & OTHER LULLABYES」

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 世界で一番ミュージシャンが多いと言われるフィリピンですが、素人でも歌や踊りがメチャクチャ上手かったりするらしいですね。一芸に秀でた人が多いんでしょうか?そうなると必然的に音楽のレベルは高くなるわけでありますが、そんなレベルの高いフィリピン音楽界でも特別に才能があると思われるのが、非常に優れた女流シンガーソングライターでありマルチ・プレイヤーでもある、シンシア・アレクサンダーです。


 本作は彼女の97年の傑作1STアルバムです。アコースティック・ギターの響きを生かしたフォーク・ロックっぽい作品ですが、各曲には非常に凝ったサウンド・プロダクションが施されています。桃源郷へ誘うかのような流麗なストリングスの響き、近未来的な雰囲気を醸し出すフレットレス・ベース、でしゃばらない的確なドラミング、効果的に使われるシンセとパーカッション、どれもが素晴らしく良い音で鳴っています。そしてそのような音の上に乗って朗々と響く、ちょっと舌足らずな感じの独特な歌声。全てが絶妙のバランスを取りながら一体となって、シンシア独自の世界を作り上げています。


 実はこの人、全曲の作詞作曲とアレンジをこなし、しかもほとんどの楽器を独りで演奏しているのでありまして、彼女の才能には本当に驚嘆させられます。音楽性は全然違いますが、このマルチな才能は、80年代の絶頂期のプリンスみたいだと思っている次第です。


 それにしても、聞くほどにシンシアの作曲能力と曲の良さを生かすアレンジ能力は、本当にずば抜けて優れていることを実感しますね。同じくフィリピンのバービー・アルマルビスや、インドネシアのメリーなんかにも全く引けを取らない、東南アジアでも随一の才能だと思われます。この人、フィリピンでの評価がどんなものなのかは知りませんが、おそらくフィリピン国外ではほとんど知られていない存在だと思われます。やはりこういう人は幅広い層に聞かれるべきだと思うのでありまして、私が紹介したところで何の足しにもならないのではありますが、力の限り絶賛致します。シンシアは素晴らしい!国内発売を切望致します!


 あと、どうでもいいんですけどお知らせです。9月27日、28日と夏休み消化の為に休暇を取ります。4連休となりますので、四国へ旅行してきます。音楽を聞きながらのドライブの旅。しばし更新はお休み致します。次の更新は30日かと思います。

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2007’09.26・Wed

VAN KHANH 「THUONG HUE MUA DONG」

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 ベトナムは非常に独特の音楽を持つ国で、一聴すればすぐにそれと判別できる音楽性を持っていますよね。しかし情報が少ないこともあって、音楽に関してはわからないことが多い国であります。2年ほど前にホーチミンに行ったのですが、街で流れている音楽は欧米のポップスとかジャズっぽいインストばかりで、地元の歌手の曲は殆ど耳にすることができませんでした。その時はベトナムの歌手と言えば、在米ベトナム人歌手のニュー・クインやゴック・ハーぐらいしか知りませんでしたし、街の中で地元の流行の歌手を知ることもできなかったので、とりあえず彼女達の作品を探していたのですが、何故か在米歌手のブツは全然置いてなくて、結局は何の知識も無いままジャケ買いするしかない状況になってしまいました。というわけで地元の書店でCDを3枚だけ購入したのですが、そのうちの一枚がこのヴァン・カインの、多分02年か03年頃の作品です。


 このアルバムを買ったのは、美人だからというのが一番大きいですが、美人がアオザイに笠をかぶったジャケなんて、いかにもベトナムっぽい音楽をやっていそうじゃないですか。実際に聞いてみると、キーボードや打ち込みの音なんかも使用してはいますが、想像していたような民謡っぽいポップスで、大当たりのブツでした。多少音作りの野暮ったい曲はありますが、伝統楽器の響きは心地良いですし、独特の音階を使った悠久の時の流れを感じさせるゆったりしたメロディがとても美しいです。そして何よりも聞きものは、ヴァン・カインの歌です。とにかくこの人、メチャクチャ上手いです。ちょっと低めの落ち着いた歌声はしっとりとしたアジア的な情感を醸し出していますし、ややこしいメロディをサラリと朝飯前のごとく歌いこなしてしまう歌唱力も相当なものですね。サウンド・プロダクションがしっかりとしていれば、テレサ・テン並みの名盤を作ることができる逸材ではないかと思います。


 ちなみにこの人、私の中では、タイのフォン・タナスーントンと並んで、アジアの癒し系熟女として位置付けられています。熟女好きにはお薦めの一枚だと思いますよ。


 ところで本作ですが、フエ地方の民歌を歌ったもののようです。「フエ地方の民歌って何だ?」と言われても私にはわかりませんので、どなたかご存知の方がいらっしゃったらお教え下さい。本作のジャケには「VOL.1」と書いてあるのですが、ホーチミンの書店には「VOL.2」も置いてありましたので、今更ながらにそれを買わなかったことを後悔しています。調べてみると、現在は「VOL.3」まで出ているようですので、次にヴェトナムに行くことがあれば、ヴァン・カインのブツは全てゲットする勢いで行きたいと思います。

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2007’09.24・Mon

BUACHOMPOO 「BUACHOMPOO」

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 ルークトゥンが9連発と続いてしまったので、ここらでタイのポップスをひとつ。今回は我が最愛のアイドル歌手、ブアチョンプー・フォードを取り上げることにします。


 アイドル歌謡というもの、それは可愛いあの娘が歌っているというだけで元気になれるとか癒されるとか、そういうものだと思います。歌の上手い下手なんてものは関係ありません。ある人はモーニング娘を聞いて元気になったり、ある人はリア・ディゾンを聞いて癒されたり、その人がOKならそれで良しなんだと思います。


 そういう意味では誰にでもアイドル歌謡というものがあるのではないかと思うのですが、私にとっての究極のアイドル歌謡は、タイのアイドル歌手であるブアチョンプー(以下ブアちょんと略します)の01年発売の1STアルバムにあたる本作に尽きるのであります。歌は決して上手いわけではありませんが、そんなことは関係ありません。激萌えの超可愛いルックス、神懸り的な可愛らしい声、ブアちょんがいてくれれば他のアイドルなんて私には必要ありません。ブアちょんが出したアルバムはどれも素晴らしいのですが、本作はブアちょんの持ち味を最大限に生かす可愛らしいメロディとほんわかしたアレンジが本当にメチャクチャ素晴らしい!いつ聞いても癒される歌とメロディの数々。ちょっぴり胸を締め付けられるような切なさが爆発する珠玉の名盤です。これまで何千枚と色々なCDを聞いてきましたが、これは私の人生のベスト10に入る本当に大切な1枚なのです。


 本作はCDで音だけ聞いても素晴らしくて、普段はCDを聞いているのですが、本作のVCDではめちゃくちゃに可愛い動くブアちょんを見ることができます。天使のように可愛らしくて美しいブアちょんが動いているのです!そして微笑んでいるのです!!もう悶絶モノの素晴らしさです。個人的には音楽に映像は必要無いなどと思っているのですが、動くブアちょんを見ると、映像があって本当に良かったと心の底から思います。見る度に心癒されるブアちょんの姿、まさに天使としか言いようがありません…などと萌えまくっているワタクシ、もしかして救い難いアホなのでしょうか?


 ところでブアちょん、タイではファンケルの化粧品のイメージ・キャラクターをやっているのですが、日本でもファンケルのCMに出てくれないですかねえ。そしたらCMは当然の如く全部録画して、雑誌の広告は切り抜いて、化粧品屋でポスターをパクって…ってやっぱりアホだわ。

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2007’09.24・Mon

MANGPOR CHONTICHA 「MANGPOR…LOR RUK」

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 個人的にルークトゥン歌手の中では最も好きな歌手の一人であり、地元でもスーパー・スターである、メンポー・チョンティチャーの、今年発売の新作です。昨年のアルバムは、曲も下らなければ歌も全然覇気が無いというあまりにつまらない出来だったので非常に心配をしていたのですが、本作では少しは調子を取り戻したようでまずは一安心といったところでしょうか。
 ジャケは「マジカル・メンポー!」みたいな感じで非常に恥ずかしい出来上がりとなっていますが、音楽的にはルークトゥン本来の雑食性を取り戻したような曲がいくつか入っていますし、本人の歌にも少しはパワーが戻ってきたようです。


 とは言え、こんなものではまだまだ満足のいく出来ではありません。メンポーが所属するNOPPORNレーベルはコテコテの典型的なルークトゥンを量産するレーベルですが、彼女はそのレーベルを背負って立つ看板娘だけに、あまり冒険できるような立場ではないのでしょう、それがメンポーの不幸と言えるかもしれません。16歳でデビューした時から歌は非常に上手かったですが、あれから7年経った現在でも、もちろん上手さは変わっていません。ただ、歌に新鮮さが無くなってきて、マンネリ化してきている感は否めないんですよね。それはおそらく、似たような曲ばかり歌い続けていることに大きな原因があるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?


 この娘にはもっと色々な可能性があると思います。王道から外れないルークトゥンだけ歌っていればタイ国内では安泰なのかもしれませんが、それではあまりに勿体無いです。メンポーが一皮むける為にはそろそろNOPPORNというレーベルが邪魔になってきているような気がします。思い切ってグラミーやR.SIAMに移籍してくれれば新しい世界が開けてくるのになあ、と勿体無く思う次第であります。


 もし私がメンポーのプロデューサーなら、ドゥアンチャン・スワンニーなんかが展開しているような、ルークトゥンの雑食性を極端に押し広げた、色々な音楽の要素がゴチャ混ぜになったような曲を歌わせたいですね。あるいはジアップ・ベンジャポーンみたいな、脱ルークトゥンの方向性を持った曲とかですね。まあ、彼女が今後どのような展開を見せてくれるのかは全くわかりませんが、私の希望通りになってくれたら嬉しいな、と思います。とりあえずは次作を楽しみに待ちたいと思います。


 あと、N県のNさんにご連絡ですが、この前お渡ししましたメンポーのブツは、実は私が最も評価していない前作であります。面白くない作品を差し上げてしまって申し訳ございません。たまたまあれが2枚あったものですから…。でもメンポーの歌の上手さはご理解いただけると思いますし、あれを気に入っていただけるなら、メンポーの他のどの作品でも気に入っていただけるかと思います。とりあえずは彼女は歌が上手いということを、少しでも理解していただけたらと願っています。次回はメンポーが実力を発揮しているブツをお貸し致しますので、ご容赦を。

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2007’09.23・Sun

KRATAE 「PERD JAI SAO TAE」

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 ティーン・ルークトゥン歌手クラテーの、今年発売のアルバムです。この娘、もしかしたらタイ音楽ファンよりは、格闘技マニアの間で顔がよく知られているかもしれません。というのは、このクラテー、現役バリバリのムエタイ戦士だからです。美少女ムエタイ選手としてそのスジでは非常に有名なんですよね。48kg級のタイ・チャンピオンになったこともありますので、その強さは際立っているようです。ちなみにムエタイの時はクラテーではなく、ナムワーンノーイというリング・ネームを使っています。


 そんなムエタイ戦士がCDを出しているわけですが、なるほど、評判になるのがわかりますね。確かに可愛らしいです。まずはまるで「お前、ぶっ飛ばしてやる!」と言って投げキッスしているみたいなジャケ(こんなネタの双子のお笑いがいましたね)が、なかなかいい感じですね。まあ本物のムエタイ選手ですから、冗談抜きに本当にぶっ飛ばされる可能性はあるんですけど。そんなことを言うと「美少女ムエタイ娘に蹴られてみたーい」とか言うオヤジが出てくるかもしれませんが、本気で蹴られたら病院行きですよ。ちなみに私は、いくら可愛い娘であっても、蹴られるのもぶっ飛ばされるのもイヤです。


 それはさておき、本作はタイ最大手のレーベルであるグラミーに対抗するR.SIAMレーベルからの作品です。R.SIAMと言えばジアップ・ベンジャポーンやキャット・ラティカーンに代表される、ルークトゥン臭の少ないポップス寄りの作品を制作する会社ですが、このアルバムはかなりオーソドックスな感じのルークトゥンになっています。そう言えば昨年15歳でデビューした若手有望歌手、ノーンアイ・サシターのアルバムもR.SIAMからでしたが、比較的オーソドックスな作りでした。もしかしたら才能ある若手には、まずはオーソドックスなルークトゥンを歌わせて、その実力を広く知らしめようとする意図があるのかもしれません。実際に、本作はムエタイ選手がお遊びで作ったような作品ではなく、本格派の歌手として十分通用するレベルの内容だと思います。


 クラテーの歌は、ちょっと舌足らずな感は無きにしも非ずですが、相当上手いです。難しい節回しも軽々こなしていますが、決してテクニックをひけらかすような感じではありません。体全体を使って運動しているような、爽やかな若さが溢れている歌です。歌手としての力量は確かなものがあると言っていいと思います。作りがオーソドックスなだけに音楽的な面白味には欠けるかもしれませんが、ルークトゥン歌手としての実力の程はよくわかるというアルバムに仕上がっていると思います。いい作品ですよ、マジで。


 このアルバム、国内発売したらルークトゥン好きだけでなく、格闘技マニアとか美少女好きのオヤジとかに売れて、ルークトゥンとしては破格の売上を記録したりして。サン○-ニャさんあたりが発売してくれないですかね。邦題は「モーレツ!愛のお仕置きロー・キック!!」…って、売れるわけないか。


 ちなみに下のジャケは、クラテーがメンバーだったアイドル・ユニット「4-TEEN」のアルバムです。多分3~4年前の作品。欲しい~!左端がクラテーです。


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2007’09.22・Sat

JUKKAJUN WUNWISAR 「KOR YUNG KID TUNG」

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 昨年デビューしたルークトゥン歌手、ジャカジャン・ワンウィサーの、2枚目のアルバムです。最大手レーベルのグラミーからのデビューということで、デビュー時から実力はかなりのモノがあったのですが、昨年は同じくグラミーからラチャノック・シーローパンというとてつもない新人がデビューした為にその陰に隠れてしまい、完全にワリを食ってしまいましたが、無事に二枚目が届けられてまずは何よりといった感じであります。


 このジャカジャンという歌手、顔は地味でどちらかというと不細工な部類に入るかと思いますが(ラチャノックの陰に隠れてしまった要因の一つか?)、もしレーベル・メイトであるターイ・オラタイ並に美人だったら、かなりの人気者になれるのではないでしょうか?歌の実力はそれだけのものを持っていますからね~。残念ではありますが、こればかりはどうしようもありません。まあ、顔ではなく歌だけで勝負できる歌手ですから、これからはひたすら歌を磨いていって欲しいですね。負けるな地味娘!打倒、ターイ・オラタイ!


 昨年のデビュー盤はなかなかの好盤ではありましたが、顔と同じく中身も地味な感じでした。良いのだけれどインパクトに欠ける、という作りだったのですが、今回は1曲目の素晴らしさにまずはビックリしました。ルークトゥン風味を残したポップスなんですけど、ハーモニカをフィーチャーした、哀愁漂う切ない雰囲気がたまらなく良いんです。元々声に哀愁のある歌手ですから、こういう雰囲気の曲には完璧にハマるわけではありますが、それにしても良い曲・良い歌です。この1曲目だけでも十分に価値があるアルバムではないでしょうか。と思って聞いていると、次から次へと切なさ溢れる曲が飛び出してくるではないですか!うーむ、これは素晴らしい。地味と言えば地味なんですけど、でも滋味であることも間違いありません。歌唱にはデビュー時に感じられた子供っぽさが無くなって、地味ながらも着実に進歩していますね。優しい子守唄のような歌の数々。若手の有望株として、アム・ナンティヤーやイン・ティティカーンなんかと同列に並べても全く遜色無い歌手に成長していますね。


 このアルバム、隙が無くてしっかりと作られていますが、私のような隙だらけのヘッポコ音楽好きにも十分に説得力のある作品に仕上がっています。これだけの作品を作られたら文句はございません。素直にジャカジャンの歌世界に浸ろうと思います。地味娘の底力、侮れませんね。

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2007’09.21・Fri

YING THITIKARN 「POOD RUEG GAO YAH LAO RUENG FAN」

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 このブログを開始してから5回連続でタイ歌謡を取り上げていますので、そろそろ別の国を、とも思ったのですが、まあいいか。タイでガンガン攻めていきます、などと言っておいて突然英国トラッドなんかを取り上げるかもしれません。気まぐれなころんでございます。


 今回取り上げるのは、アム・ナンティヤーと並ぶ若手のホープとして個人的に期待している、イン・ティティカーンの今年発売の3枚目のアルバムです。前作は笑うと歯の矯正の針金が見えていて笑顔が恐かったですが、針金はもう取れたのでしょうか?今回は歯を見せていないので、そこんところ、定かではありません。それにしてもこの人、作を重ねる毎に顔が老けているのが少々気になります。まだ二十歳そこそこだと思うんですけど。裏ジャケは結構キレイに写っていますので、そっちがジャケの方が良かったかも(気になる人は、このブツをゲットして確認して下さいね)。


 まあ顔のことは置いといて、歌の方は、若いクセに相変わらずのド演歌ではあるものの、やっぱり非常に上手いですね。透明感があって伸びやかな美しい声は、耳に心地良いです。言語を気にしないというのであれば、日本の演歌ファンにも受け入れられるのではないでしょうか?ダサさと洗練の加減がバランス良く仕上がっていると思います。


 本作は、前作と比べると随分オーソドックスなルークトゥンに近い作りになっていますが、個人的にはもっとポップス寄りの作りであっても良かったのではないかと思います。前作の2曲目にあったような、ケルティック・ルークトゥンとでも言いたくなるような新境地が、本作には見当たらないのが残念ではありますが、こういう作りのアルバムもインのキャリアには必要でしょうから、今回はこれで良いということにしておきましょう。
 前作・前々作は、しっとりと聞かせる美しい曲があったと思ったら、突然おふざけのようなヘンテコな曲が飛び出してきてズッコケさせてくれたりして、歌手としての方向性がまだ定まらない様子でしたが、本作は本格的に歌をしっかりと聞かせる歌手として勝負してきた感がありますので、オーソドックスな作りにならざるを得なかったのだと解釈しておきたいと思います。とりあえずはこの素晴らしい歌声があれば、心地良く酔うことができますしね。たとえ笑顔が恐くても(矯正が取れてたら恐くないかも)、私はインの歌声が大好きなのであります。


 あ!あとNAKAさんにご連絡ですが、先日お渡ししましたこの人のブツ、あれは1枚目と2枚目の曲を集めたベスト盤です。お楽しみいただいているかどうかはわかりませんが、私はこんな歌が大好きなのです、ということでご参考いただければと思います。

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2007’09.19・Wed

JEAB KANOKPORN 「SAO KEE DUE」

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 前回ジアップ・ベンジャポーンを取り上げた時に名前を出しました、同じジアップという名前のカノックポーンを、今回は取り上げようと思います。名前は同じでも、ベンジャポーンはルークトゥン歌手で、カノックポーンはモーラム歌手であるという違いはあります。だからと言って「ルークトゥンとモーラムはどう違うんだ?」なんて質問はしないで下さいね。そんな難しいこと、私には答えられませんので。


 本作はカノックの06年の作品です。この人がいつ頃デビューしてこれが何枚目のアルバムになるのかは知りませんが、前作同様に相変わらず手堅い作品を作りますね。モーラムらしい田舎っぽい感覚は十分に残していますが、泥臭さは控え目ですので、とても聞きやすいアルバムになっています。タイ歌謡に興味がある人にはとりあえず無難にお薦めできる作品なのではないでしょうか。ルックスも良いですから、ジャケもあまりダサく感じられないですしね。


 カノックはわざとベチャっと潰したような、子供っぽい声で歌うのですが、歌の力量には確かなものがあります。モーラム歌手としての実力は折り紙付きだと言えるでしょうね。本国でどの程度人気があるのかは知りませんが、ジンタラー・プーンラープと似たような歌い方をするという点でも、日本のタイ・マニアには評価が高いというのは頷けます。モーラムのイメージを決して裏切らない作りで、しかも決して外さない実力のある歌手が歌っている作品ですから、これはマニア納得の一枚だと言えるでしょうね。
 ただこのアルバム、個人的にはちょっと手堅すぎるかな~という感じが無きにしも非ずなんですよね。こういうオーソドックスな作りの作品というものは、無ければならないものではありますが、カノックみたいに力のある歌手には、ついつい逸脱を期待してしまうんです。「これしかできない」というような歌手ではないはずですので、色々なことに挑戦して欲しいんですよね。まあそれは私の勝手な思い込みですから、本人にとっては大きなお世話でしょうけど。
 
 もし私が彼女のプロデューサーだったら、もっと低音をブイブイ鳴らしたレゲエ・モーラムとか、ハードなギターが炸裂するメタル・モーラムみたいなのを作ってみたいな~、なんて思います。目指すはジャー・ウォブルが作った「モーラム・ダブ」?いやいや、カノックと私が組めば、もっといいブツが作れるぜ!な~んて…。ただの妄想です。失礼致しました。

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2007’09.18・Tue

JEAB BENJAPORN 「NIRAD RUK LONG TAI」

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 あれ、ジアップ・ベンジャポーンってこんないい歌手だったっけ?というのが、このアルバムを聞いた第一印象でした。今年発表された、多分通算四作目に当たるこのアルバムは、いい感じにポップスやマレー風味・インド洋音楽風味を取り入れていて、実にゆったりとしながらスケールの大きいルークトゥンを展開していますが、その音楽性にジアップの歌がピッタリとハマっています。
 
 元々そんなに歌が上手い歌手ではないのですが、本作では随分余裕を感じさせる歌を聞かせてくれます。根はド演歌歌手だと思うのですが、スッキリとルークトゥン臭が抜けた洗練された演奏に、何故かこの歌が合うんです。まあここまで来ると、もはや歌以外はルークトゥンではないのかもしれません。特に5曲目のゆったりしたバラード曲なんかは、誰もルークトゥンだなんて思わないでしょうね。それが良いことなのかどうなのかは個人により見解は分かれるでしょうが、私は脱ルークトゥンと言うか、ルークトゥンを超越しようとするこの方向性は全面的に支持します。前から脱ルークトゥンの傾向がある人でしたが、今回は更にそれを推し進めた内容になっていて、非常にいい感じですね。
 
 別にどうでもいいんですけど、同じジアップでも、レーベル・メイトでもあるカノックポーンの方は日本でもタイ・マニアの間では人気があるようですが、こちらのベンジャポーンを評価しているという人は、私以外には誰もいないような気がするのですが気のせいでしょうか?単純に歌の力量がカノックポーンの方が上というのもあるかもしれませんが、おそらくタイ・マニアにはこの洗練された脱ルークトゥンの方向性が受け入れ難いのではないかと推測します。ルークトゥン臭が無いからこんなものはルークトゥンとは認められん!というタイ・マニアも少なからずいるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?
 あと、ルックス的にイマイチというのも要因の一つという気もしますが…。カノックポーンはそこそこキレイですからね~。私はベンジャポーンの愛嬌のあるエキゾな顔は結構好きですけどね。たとえ歌があまり上手くなくてルックスがイマイチでも、私は常にベンジャポーンの味方です。打倒、カノックポーン!…って別に打倒する必要は無いんですけど。

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2007’09.17・Mon

AUM NUNTIYA 「SAWASDEE KWARM RUK」

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 ルークトゥン界の期待の若手、アム・ナンティヤーの2枚目のアルバムです。ブンター・ムアンマイとモーラムのデュオを組んでいた頃のちょんまげヘアなんて覚えてる方はほとんどいらっしゃらないでしょうね。今回はストレート・ヘアなんかにしちゃったりして、あの頃からすると随分垢抜けたように見せかけていますが、見事にスベっているような気が…。なんだかオバサンっぽくなってしまって、本当はもっと可愛い顔のはずなんですけどね。それにしてもこのジャケはちょっとダサ過ぎないでしょうか?


 デビュー作は歌い口の硬さがちょっと気になりましたが、今回は見事なまでに硬さが取れてますね。数多く歌うことで歌い口がこなれてきたのでしょう。表情がとても柔和になってきて、耳に優しい歌になっています。個人的にこれは大いに評価したいポイントであります。元々歌は非常に上手い歌手ではあるのですが、こんなに早くいい感じの歌になってくるとは思っていませんでした。まだ2枚目なのに、大幅にステップ・アップしていると思います。デビュー時から応援している歌手ですので、期待通りに育ってくれてなんだかとても嬉しいです。あとはルックスが垢抜けてくれれば言うこと無しですね。
 
 前作に比べると、本作は曲も粒揃いになっていますね。前作はルークトゥン歌手としての資質をアピールするという狙いがあったのでしょう、極めてオーソドックスな作りに徹していていかにもルークトゥンというような曲が並んでいましたが、今回はかなりポップ寄りな曲が増えています。アムのやや鼻炎気味の鼻声にはポップな曲の方が合っているように思われ、ルックスよりも先に、まずは音楽的に垢抜けたかな、という印象があります。

 まあポップに垢抜けたとは言え、ルークトゥンらしさはちゃんと残っていますので、初心者から本格派のルークトゥンファンまで、幅広い層にアピールできる作品に仕上がっているのではないかと思います。今年出たルークトゥンのアルバムの中では、かなりの秀作ではないかと思っています。

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2007’09.17・Mon

EVE ORRAWAN 「PLA DOOK AUI」

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 色々な音楽を聞いていると、たまに「お前ナメとんのか!」と言いたくなるようなヘッポコな作品に出会うことがあります。どうしようもなくヘッポコでおバカさんなブツ。出会う確率は特にタイの音楽に多いような気がするのは気のせいでしょうか?
 
 単にヘッポコでおバカなだけではちょっと問題ありですが、なんだか憎めない愛嬌があったり、妙に可愛らしかったりすると、何故だか好きになってしまうんですよね。タイの新人ルークトゥン歌手イヴ・オラワンは、まさに典型的なヘッポコおバカ歌手なんですが、凄く愛嬌があって可愛いので、めっちゃお気に入りなのです。ジャケからしてとてもおバカな感じですが、中身の方も期待通りの大バカな出来映えで、素晴らしいです。
 まずは彼女の歌声が凄いです。人をナメているとしか思えないような子供っぽいアニメ声で、とんでもなくヘッポコな歌を聞かせてくれます。まあ、無邪気で純真な歌声と言えば聞こえはいいんでしょうけどね~。この歌声が、いかにも低予算で作られたようなお手軽打ち込みエレクトリック・サウンドに乗ると、暴力的なまでに過激な脱力ルークトゥンが生み出されるのです。もう惚れ惚れする位のヘッポコぶりですよ、これは。たまに真面目に歌っている曲も出てくるのですが、これが何故か結構イケてたりするので、一筋縄でいかなかったりもします。
 
 それにしてもこのブツ、聞いていると段々イヴちゃんの魅力(毒?)が身体に回ってくるんですよね。そうすると、次第にこのヘッポコさが可愛くて可愛くてたまらなくなってきて、アルバムを聞き終わる頃には「素晴らしい!」となってしまうのです。うーむ、なかなかのとんでもないクセモノですね、この娘は。このアルバム、他に評価する人がいるのかどうかは知りませんが、私はメチャクチャ好きです。今年最高のヘッポコ歌手であると言って間違い無いでしょう。
 
 ついでに言うとこのアルバム、VCDも素晴らしいです。音だけでも強力なのですが、動くイヴちゃんはめちゃくちゃに可愛くて最高です。基本的に顔の作りが笑顔ですので、何をしていてもとにかく超キュートに見えてしまうんです。これまでルークトゥンのアイドルでは「新芽ちょーだい」アーチャリヤーが一番可愛いかと思っていたのですが、イヴちゃんはアーチャリヤーを遥かに超えてしまいました。可愛くて可愛くて可愛くて、心奪われてしまう位にとっても素敵な歌手の登場であります。今後とも末永く活動して欲しいものですが、でも多分これ一発で終わるんだろうなあ、きっと…。

注)アーチャリヤーには、日本語で「新芽ちょーだい」という歌詞の入ったヒット曲があります。どうでもいい話ですが。

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2007’09.16・Sun

TATAR JUTARAT 「CHA CHA CHA HIPHOP」

 というわけで始まりました「ころんの音楽探訪」。記念すべき第一回目のブツは何にしようかと思いましたが、とりあえずは今年一番よく聞いているルークトゥンのアルバムを取り上げてみようかと思います。

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 何、タイトルが「チャチャチャ・ヒップホップ」じゃと?タイトルだけでもメチャクチャ面白そうじゃないか!ということでゲット致しましたこのアルバム。ジャケもイケイケな感じでなかなかよろしいかと思います。気が強くて生意気そうな顔したタター・ジュタラット嬢ですが、この手のお顔が好きな御仁も多いのではないかと…(私は好みではありませんが)。
 このタイトルとジャケですので、期待しながらCDを再生してみると、これが期待に違わず素晴らしいじゃないですか!タターの歌は決して上手いわけではありませんが、媚びてみせたり、はすっぱな感じで歌ってみせたり、しっとりと情緒豊かに歌ってみせたり、色々とやっていてサービス精神旺盛です。聞く者を楽しませずにはおかないというような芸人根性が感じられるのが良いですね。プロの芸人というのは客を楽しませてナンボですから、その点では十分に合格点だと思います。
 
 音楽的にはルークトゥン以外の何物でもないですが、タイトル通りヒップホップを取り入れてみたり、インド風やアラブ風の味付けをしてみたり、ブリブリのファンクっぽいアレンジがあったり、オーソドックスな感じのルークトゥンもあったりと、歌と同様にこれまた色々やっていて楽しめます。特に1曲目はダサいラップを大々的にフィーチャーしたヒップ・ホップ・レゲエ・ルークトゥン、2曲目はブラス&ハードロック風ギターが炸裂するインド風味のルークトゥンで、めっちゃカッコいいです。どちらもハチャメチャなミクスチャー具合が素晴らしい!この2曲だけでも「買い」の一枚ですね。
 とにかくこのアルバム、勢いとパワーに溢れていて、大変に気に入っています。ルークトゥンは元々色々な要素を取り入れた雑種音楽ですから、やっぱりルークトゥンはミクスチャーで決まり!ところで、どうでもいいんですけど、タイトルにある「チャチャチャ」は一体どこへ行った?
 
 しかしこのアルバム、本格派のルークトゥン・ファンにはソッポを向かれるようなブツなんでしょうね。でもいいんです、大人が眉をひそめるようなルークトゥンこそ良いルークトゥンなんです!私ころんは、誰が何と言おうと断固としてタターを応援します!でも私が支持するようなブツって、本国では売れないんだろうなあ。このアルバム1枚で消えてしまうことが無いように祈っておりますが、やはり泡沫歌手の運命を免れないような気がしてしまったりして…。

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