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2007’11.05・Mon

TEPAPA 「TEPAPA」

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 ここ数年で一番多く聞いたアルバム、それは日本のFAYRAYの「HOURGLASS」と、タイの女の子7人組、テパパの03年のデビュー作である本作だと思います。音楽的にはちょっぴり田舎っぽいルークトゥン風味をまぶしたポップ・ロックですが、これが本当に素晴らしいんです。これまでタイ歌謡はルークトゥンだのモーラムだのポップスだのと色々聞いてきましたが、その中でも音楽的にはまさにベストと言えるアルバムではないかと思っています。これまで聞いてきた数百枚のタイ歌謡のアルバムの中で、個人的に最も好きな作品がこのアルバムなのです。今後のタイ歌謡で、これ以上の作品が現れることは無いのではないかとさえ思っています。


 見た目はまるで田舎の女子高生バンドですが、中身の方も見たまんまですね。見たまんまとは言っても、別に学芸会レベルのヘッポコ音楽ということではありません。音楽の在り方が、青春の1ページを見事に切り取った雰囲気の作品に仕上がっているという意味であります。


 彼女達の音楽には、「わたしたちもバンドやるべ!」と集まった仲間達が一生懸命練習した成果を、みんなの前で発表しているかのような新鮮さがあります。音楽を演奏する喜びに満ち溢れる躍動感、胸がキュンとなるような甘酸っぱさ、ちょっぴり泣けてくるような切なさ、ほとんど奇蹟的と言える程までに瑞々しい音楽がここにあるのです!ここで聞くことができる音楽は、まさに奇蹟の結晶と言っても良いのではないかと思います。


 二度と再現できない奇蹟の演奏を成し遂げた女子高生バンドは、卒業とともに各自がそれぞれの道を歩んで行く為に解散する、それが通常のドラマの筋書きでありましょう。そして残された作品は、彼女達の青春の1ページを記録した卒業写真のようなものとして語り継がれていくわけであります。事実、テパパはこの奇蹟のデビュー作を一枚残しただけで、学校から卒業して各自がそれぞれの道へ歩んで行くかの如く、シーンから姿を消してしまいます。メンバー達は今頃どこで何をしているのでしょうか?ルックス的に他のメンバーとはあまりに差があり過ぎて一人だけ可愛かったヴォーカルのインインちゃんだけでも、ソロで活躍していくのだろうと思っていたのですが、今のところはその様子もありません。みんな一体どうしているのでしょうね。


 何にせよこのアルバムを残したことで、テパパの名前はワールド・ミュージック史に永遠に刻まれることになった…などと思っているのは、世界でもおそらく私一人しかいないのでしょうが、別にいいんです。このアルバムに出会えて、私は本当に幸せだと思っています。ここまで惚れ込める音楽なんて、そう出会えるものではありませんから。
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