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2007’11.20・Tue

TRIBUTE TO APO HIKNG SOCIETY 「KAMI nAPO MUNA」

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 70年代から活躍するフィリピンのベテラン男性3人組、アポ・ハイキング・ソサエティは、音楽だけで人気を博しているのではなくて、コメディアン的な存在としてテレビにも出演してフィリピンのお茶の間でも有名だという、まさにフィリピンの大スターと言える存在らしいです。このアルバムは06年に発売されたのですが、アポの曲を18組のミュージシャンが1曲ずつカヴァーした企画盤です。集まった面々はパロキャ・ニ・エドガー、オレンジ&レモンズ、シュガーフリー、バービー・アルマルビス等の人気者達。彼らがそれぞれの持ち味を出しつつ、アポのまるでカーペンターズやアントニオ・カルロス・ジョビンの如きエヴァーグリーンな響きを持つ美しい楽曲を演奏しています。


 オリジナルのアポの演奏はAOR的と言うか、ジャズやボサノヴァっぽさを持った「お洒落な午後のティー・タイムのお供に」という感じの大人のポップスなのですが、それは非常に完成度が高く、個性を出しつつカヴァーするのは難しいのではないかと思われます。しかしどの連中もなかなか健闘しておりまして、とても面白い仕上がりになっています。個人的に特に興味深く聞けるのは、最初の一音を発しただけで雰囲気を自分の色に染め上げてしまうバービー・アルマルビス、爽やかポップスに見せかけつつダブの音処理を仕込んだりハードロックっぽく盛り上げたりしてクセモノぶりを発揮するイッチーワームスあたりでしょうか。


 それにしてもこのアルバムを聞くにつれ思うことは、フィリピンのミュージシャン達は本当にセンスの優れた連中が多いということですね。フィリピンは国民総エンターテイナーと言われるほど歌や楽器演奏のレベルが高い国らしいですが、そういう国だからこそプロになっているのは一筋縄ではいかない実力を持った連中ばかりなのでしょう。フィリピンの音楽を「単なるアメリカン・ポップスのコピー」などと言う人もいますが(確かにそういうものもあります)、このアルバムを聞くと、フィリピンのミュージシャン達はアメリカン・ポップスのコピー云々を超えて、既にフィリピン独自の音楽というものを作り上げていると実感できますね。と言うか、アポが活躍していた当初から、フィリピンには欧米の音楽をうまく取り入れた独自の音楽が根付いていたのではないかと思えてきます。フィリピン音楽、興味が尽きることがありません。


 ところで本アルバムは二種類発売されていまして、通常盤はカヴァー・ヴァージョンのみ収録の1CDですが、カヴァーの曲順にリマスターしたオリジナル・ヴァージョンを収録したCD付きの2枚組スペシャル・エディションもあります。私は当然2枚組スペシャル・エディションを入手しました。まずはオリジナルの素晴らしさを味わい、それからカヴァー・ヴァージョンを聞くという楽しみ方をしております。聞くほどにわかるフィリピン音楽の素晴らしさ、ですね。あと、DVDも発売されています。見たことはありませんけど。
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