
多分中国本土のロック・バンド、眼鏡蛇(コブラの意味らしい)の96年のアルバムです。スーパーの催し物会場で開かれていた中古屋の合同セールのバーゲンコーナーで見つけたブツです。499円也。女性5人組で何だか妙にサイケなジャケに感じるところがあって、購入に至ったブツであります。もちろんこのバンドに関する事前知識など一切ありません。何だか面白そうな気がしただけです。
聞く前は、ジャケだけサイケに見せかけて、実は日本のプリンセス・プリンセスなんかのようなポップな音楽を聞かせる連中なんだろうと思っていたのですが、実際に聞いてみると全然違っていました。音の感触は非常に冷たくて、重苦しい暗さに包まれた音楽であります。英国ニューウェーヴの、かなり暗い部分を体現したかのような雰囲気なんですよね。サイケなジャケの通り、サイケな要素もふんだんに入っていまして、弾きまくりのギターとかオルガンの音が相当にカッコいいですね。サックスが入った曲なんかは、初期キング・クリムゾンみたいな雰囲気があります。中国にこんなバンドがいたなんて、全然知りませんでしたので、これは個人的には大発見であります。
ここに収録された10曲は、全てこのバンドのメンバーが作詞作曲していて、アレンジもこのバンドが手掛けているのですが、どの曲も非常に良く出来ています。この人達、一体どんな音楽を聞いていたんでしょうね?プログレとかサイケとかニューウェーヴとか、かなり聞いていたのではないかと推測しますが、中国本土でもそのようなブツは手に入るのでしょうか?…思い出してみると、新疆ウィグル自治区の都市カシュガルにも欧米ロックのCDはありましたから、このブツが制作された広州なんかにはいくらでもプログレだのニューウェーヴだのはあるのでしょうね〜。
このようなヘヴィでダークな感触を持つ曲を、線が細くて歌い口の硬いヴォーカルが中国語で歌っているのですが、これがまた妙な緊張感を醸し出していて、何だかカッコいいんですよね。中国サイケ・ロックの真髄此処に在り!なのかどうかは知りませんが、これは非常に興味深くてグレートな中国ロックのアルバムであります。聞き終わると、また最初から聞きたくなるという、薬物のような中毒性を持った一枚です。決してお薦めは致しませんが、世界各地のサイケ音楽を探している方はどうぞ。