
先日、片桐真央さんのブログでインド音楽のCDが取り上げられていましたので、私も何かインド音楽を取り上げてみようかと思い、M.S.スブラクシュミの「メーララーガマーリカー」を引っ張り出してきました。
スブラクシュミの歌に出会ったのはいつ頃だったでしょうか。このブツが国内発売されてすぐでしたから、89年ぐらいだったかと思います。30分近い曲が2曲しか入っていないこのアルバム、最初に聞いた時は何が何だかさっぱりわかりませんでした。同じメロディを延々と繰り返す1曲目がやっと終わったと思ったら、2曲目も1曲目と同じメロディを延々と繰り返すだけ。延々と同じメロディを反復するだけの激しく退屈な音楽としか感じられず、「なんじゃこりゃ!ちくしょう、金返せ!」と、本気で思いました。
この人の歌声は、いかにもインドの女性歌手というような、高音のキンキン声ではありません。ある音楽評論家が「キンキン声ではない、人間味溢れる素晴らしいボーカル」みたいなことを言っていましたので、それを真に受けてこのブツを買ってしまったわけですが、当時の私には汚いおばさんの汚いドラ声のようにしか聞こえず、もう最悪と言ってもいい位の出会いでした。それ以来スブラクシュミは、私の超苦手な歌手になってしまいました。たまに恐いもの見たさ(聞きたさ?)にこのアルバムを聞こうとしたことはあったのですが、最初の2〜3分聞いただけですぐにストップしてしまうということを繰り返していました。
そして時は過ぎ、数ヶ月前に何故かこのアルバムを聞き直したのですが、すると…ありゃりゃ?変だな、何故かすんなり耳に入ってくるぞ?なんかめっちゃイケてるじゃん!ということで、18年ほどの歳月をを経て、スブラクシュミは私の好きな歌手になってしまったのでした。
あれほど退屈でどうしようもないと思った音楽が、今では眩惑世界への誘いのように聞こえてきます。元々サイケな音楽は好きなのですが、このアルバムはこれまで聞いたどんな音楽よりもサイケな音楽だと感じられます。聞いているうちに桃源郷世界に迷い込んでしまうような感覚に陥ってしまう、まるでドラッグのような、ちょっと危ないトリップ音楽でもありますね。ヘッドフォンで聞いていると頭がクラクラしてきて、クリシュナ神が見えてくる…?
あと、コメント欄に試聴を貼り付けておきますので、よろしければお試しを。