
個人的に大好きなフィリピンのバンド、リヴァーマヤの06年のアルバムです。この連中のブツは、これまでベスト盤1枚しか持っていなかったのですが、ガラス細工のように繊細で夜空を駆け巡るような疾走感を持った、英国ニューウェーブ系の音が実に素晴らしいバンドだという認識を持っております。このアルバムもそのような音であることを期待して買いました。
実際に音を聞いてみると、今回はちょっと音の肌触りが違いますね。英国ニューウェーブ的な音は相変わらずなのですが、繊細さよりも骨太な逞しい感覚が目立っているように感じられます。例えて言えば、グランジを通過してきたエコー&ザ・バニーメンみたいな感じ、というところでしょうか?うーむ、何だかイメージと違うな、と思いつつブックレットを見ていると、どうやらこのアルバム、他の人が作った曲を取り上げたカバー集のようであります。なるほど、道理でこれまでの感覚とは違うわけですね。しかし、カバー集とは言っても私は初めて聞く曲ばかりなので、私にとっては彼等のオリジナル・アルバムと同等ではあるのですが。
カバー集ですので、曲は良く出来たものばかりが選曲されています。何と、エスニック・プレイグラウンドとかディーンズ・ディセンバーとかアイデンティティ・クライシス等々の曲を取り上げているんです!って、実は名前さえも聞いたことが無い連中だったりして…。名前を聞いても全然そそられることはありませんね〜。もしかしたら、ジョーイ・アヤラの曲も取り上げていると言えば、聞きたくなる人もいらっしゃるかもしれませんね(いるわけないか)。しかし曲が良く出来ているからと言って、そのバンドに合った曲であるとは限らないわけで…。本人達は楽しくやっているのでしょうけど、彼等に相応しい選曲がされているようには、あまり思えなかったりして。
相応しい選曲ではないと感じる最大の要因は、ボーカルの声や歌い方が曲や演奏にあまり合っていないと感じられるからでしょう。元々繊細さの中に秘めた情熱がジワジワと沁み出してくるというタイプのボーカルだけに、逞しい骨太な感覚というのはしっくりとこないわけであります。中にはメチャメチャカッコいい曲も入ってるんですけどね〜。
まあ、カバー・アルバムというものは、もしかしたら誰もが一度は作ってみたいものなのでしょうね。リヴァーマヤのイメージとは違った演奏が聞けるという点では非常に興味深い作品ですし面白いと言えますが、期待していた音ではなかったという点では残念な気もします。なんだかちょっと複雑な気分であります。とか何とか言いつつ、結構繰り返し聞いていますし、今後も聞き続ける作品なのは間違い無いんですけどね。
あと、コメント欄に試聴を貼り付けておきますので、よろしければお試しを。