
物憂げな、今にも泣き出しそうな顔をしたベトナムの美人歌手、フィ・ニュンの06年のアルバムです。見た目通り、白人とベトナム人とのハーフです。日本のオヤジどもに人気がある滝川クリス○ルとかいうアナウンサーと同系統の顔とお見受けしますが、もしかしたら「叱って泣かしてみたい美人歌手」、なんてキャッチ・コピーをつけて売り出せば、日本でもそこそこ売れるかもしれません。個人的には叱って泣かすよりは、叱られて泣いているのを慰める方が良いと思っておりますが…どうでもいい話ですね。
この人、一度はアメリカに渡って在米ベトナム人コミュニティで歌手活動をしていたそうですが、理由はわかりませんがベトナムに帰国し、故郷で歌手活動の再スタートを切ったとのことです。本作はベトナムでの2枚目のアルバムにあたります。とにかくまずは、整った美しい顔立ちが印象的なのですが、こういう白人的な顔の人がベトナム歌謡を歌っていることに違和感はあるものの、この人にはベトナムに対する強い望郷の念があるのでしょう。切々とした歌を聞いていると、なんとなく伝わってくるものがあります。
それにしてもこの人の歌声、結構独特のものがあります。ちょっと子供っぽい声で、何だかタイのモーラムの歌手みたいにベチャっと潰したような発声をします。アジアっぽい歌声と言えば確かに非常にアジアっぽいのでありますが、この顔でこの歌い方というのが興味深く感じられてしまいますね。最初からこういう歌い方なのか、それとも白人的な顔立ちであることを自覚していて意識的にこういう歌い方をしているのか、真相はわかりません。その白人的な見た目から故郷の人々になかなか受け容れてもらえない現実と、それでも故郷を愛する心が複雑に入り混じって、アジア人としての自分を強く打ち出す為にこのような歌い方をするようになったのだ、と私は勝手な妄想を膨らませているのですが、いかがでしょうか。
何にせよ聞き手に色々な事を想像させてくれる歌手っていいですよね。フィ・ニュンの歌を聞いていると、勝手にその半生を想像したくなる、そういう不思議な魅力を持った歌手だと思います。歌だけでなくルックスも含めた総合評価で、非常に気になる面白い歌手であります。
あと、コメント欄に試聴を貼り付けておきますので、よろしければお試しを。