
今回は、20年来聞き続けてきた大好きなアルバムを取り上げたいと思います。
このブツ、まずはジャケがいいですね。実に人の良さそうな顔したヒゲオヤジ、その名をアブデル・アジズ・エル・ムバラクと言います。最近はどうしているのか、とんと名前を聞くことはありませんが、日本におけるワールド・ミュージック黎明期と言える80年代後半から90年頃、このオヤジの日本での人気は凄かった!というのはウソですが、一部の好事家の間では大変な評判になったことは間違いありません。かく言う私もその内の一人なのですが、とにかくこのオヤジの音楽は、聞く者の心を一発で捉えてしまう様な魅力に溢れています。
このムバラクおじさんの音楽を表現するのによく「スーダンの河内音頭」なるフレーズが使われますが、まさにその通りだと思います。日本の盆踊りでかかっていてもおかしくないような音楽、または日本の民謡とか演歌を思わせる音楽、それがムバラクおじさんの音楽です。だから日本人には非常に親しみ易いんですね。
そしてジャケを見る限り総勢10人からなる楽団の音が、また素晴らしい!躍動感溢れる太鼓群とベース、艶やかな音を奏でる実に優雅なヴァイオリン、優しくて丸っこい音を出す味わい深いサックス、どの楽器も本当に良い音を出しています。その演奏をバックに実に気持ち良さそうに歌うムバラクおじさんのコブシたっぷりの歌が、これまた素晴らしいんです。アラブ〜アフリカの音楽界で、これだけ魅力的な親しみ易い歌を歌える人って他にいるんでしょうか?
信じられないことに、この人は過去に来日経験があります。90年代前半だったと思いますが、確かアブデル・ガディール・サリムというおじさんと一緒に来日してライヴをやっています。残念ながら私は見ていませんが、見た人によると本当に素晴らしいライヴだったようです。実はこの人ライヴ盤があるのですが、優雅にゆったりと盛り上がってくる演奏を聞くに連れ、是非とも生で見てみたいという気になってしまいます。ムバラクおじさんが現在も生きているのかそれとも死んでしまったのかは知りませんが、生きているなら是非ライヴを見てみたいです。
今回は試聴を見つけることができませんでしたので、残念ながら試聴の貼り付けはございません。