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2008’04.22・Tue

VASHTI BUNYAN 「JUST ANOTHER DIAMOND DAY」

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 前回取り上げましたリラ・パウシーナのブツはつい先日のブック○フのセールで見つけたのですが、その時にこのブツも見つけました。値札1350円から500円値引きで850円也。70年にアルバム1枚だけ残して忽然と姿を消してしまった英国のフォーク歌手、ヴァシュティ・バニヤンの幻のアルバムの復刻CDであります。オリジナルのLPは既に20万円を超える値で取引されているらしく、LP1枚ごときにそれだけの値を付ける神経を疑いますが、それでも買う人がいるというのが驚きであります。まあどうでもいいんですけど。


 このバシュティ・バニヤンという人、05年に突如35年振りのアルバムを出して、しかも来日公演までして世間をあっと驚かせましたが、その後は再び姿を消してしまったのか、何の音沙汰も無いようです。流石に幻の歌手と言われただけのことはありますね~。


 それはさて置き、今回のブツであります。幻の歌手の幻のアルバムだけに興味津々で聞いたのですが、この人の歌声、幻のように儚くて今にも消えてしまいそうですね。素朴で可愛らしい声と言えばその通りなのですが、弱々しいと言うか生命力が無さそうなと言うか、あまりに繊細で消え入りそうな歌であります。英国の幽霊の歌声を聞けるとしたら、まさにこんな歌声なのではないかと思います。


 歌に合わせているのかどうかは知りませんが、ギターやストリングスやリコーダーなんかを配した柔らかい音作りのバックの演奏もひたすら控え目で美しく、夢幻の世界をふわふわと漂っているような雰囲気を醸し出しています。そしてメロディまでもひたすら美しく、桃源郷の世界とはこんな感じなのかな、などと思ったりします。こういう音楽に取り憑かれてしまったら最後、決して逃れることはできないという、なかなかに危険な音楽であります。妖精に魅入られてしまうかの如き気分を味わえますよ。国は違いますが、ローレライの歌声ってこんな感じなのかな、と思ったりもして…。


 幸いなことに(?)、私はまだこの人の音楽に取り憑かれてしまったわけではありませんが、聞くほどに妖精に魂を抜き取られてしまいそうな感じがして、何だか恐いです。まるであちらの世界からおいでおいでと手招きをしているような感じですね~。やっぱりこれ、相当にヤバイ音楽であります。


あと、コメント欄に試聴を貼り付けておきますので、よろしければお試しを。
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