
一部マニアの間で大変な評判となった(?)、タイ・ロックの重鎮カラバオと、タイ・ポップス界最高の歌姫パーンとの、05年の共演盤です。発売当初は、この意外な組み合わせに驚いたものでした。両者に一体どのような接点があったのかは知りませんが、ガトーンにおけるオイ・ガトーンの如く、違和感無くカラバオに溶け込んでいるパーンに、誰もが感心したことでしょう。
個人的に、カラバオの名前は学生の頃から知っていましたが、むさ苦しいおっさん連中が勢揃いした見るからに暑苦しいバンドですので、好んで聞く気にはなれませんでした。弾力性に富んだ活力溢れる演奏は素晴らしいんですけどね〜。あ、どうでもいいんですけど、カラバオのリーダーのエート・カラバオを見ると、何故かプランテーションの店長さんを思い出してしまいます(店長さんがむさ苦しいと言っているのではありません)。
そんなカラバオにパーンが加わるとなると、むさ苦しいけれどもパワーのあるおっさん達の中に紅一点ですから、これは聞かないわけにはいかないでしょう。話題性だけでも十分ですからね。あ、もう一つどうでもいい話ですが、パーンっていつも愛想の無いムスッとした怖い顔をしている人ですけど、笑っても怖い顔ですね〜。角度によっては鈴木蘭々に似た、結構可愛らしい感じに見えることもあるのですが・・・。
まあルックスのことはどうでもいいとして、肝心なのは中身の方であります。聞く前は、カラバオの演歌ロックとでも言うべき音楽性に、ポップス〜ロックを歌ってきたパーンが合うのだろうか?という心配も少しはあったわけですが、そこは流石にタイ・ポップス界最高の歌姫、時にロックっぽい力強い歌を、時に演歌っぽい見事なコブシ回しを、そして時には天使の如く美しい歌を聞かせてくれます。やはりパーンは超一流の歌手でありました。この素晴らしい歌に、カラバオのおっさん達もご満悦といった感じであります。もちろん私もご満悦であります。
それにしても、カラバオとパーンの相性が良いなんて、誰が想像できたでしょう?81年にデビューして以来、一貫して活火山のようなパワーを保ち続けている化け物バンドのカラバオと対等にわたり合うのですから、このパーンという歌手もとてつもないパワーを持った歌手だと言えるでしょう。何にせよこのアルバム、両者のパワーが融合した、タイ・ロックの一つの金字塔だと言えるのではないかと思います。タイの音楽に興味がある方には、強くお薦め致します。
ちなみに、この布陣での2枚組ライヴ盤も出ています。そちらも相当に素晴らしいですよ。音も良いですし、個人的にはスタジオ盤の本作よりも好きかもしれません。
こちらはライヴ盤のジャケ。パーンが笑っている!

あと、コメント欄に試聴を貼り付けておきますので、よろしければお試しを。