
今回取り上げるのは日本のシンガーソングライター、RIE FU(りえふう)の07年の3枚目のアルバムです。RIE FUのことはデビュー当時から知っていますが、この娘の05年発表の1枚目のアルバムを聞いた時はかなりの衝撃を受けました。
日本人の歌手というものは、多かれ少なかれ、その歌の中に日本的な侘び寂びであるとか湿っぽさとかを感じさせるものだと思います。日本人が日本語で歌えば、やはりそこにはそのような日本的な情緒が潜んでくるものです。しかしこのRIE FUは違いました。日本語で歌っていても、日本的な情緒が全く感じられないのです。非常にクール&ドライな感じで、日本人の歌手ではあるのですが、感覚的にはまるで欧米の歌手みたいだったのです。ですから彼女のデビュー作を聞いた時、ついに日本人的な感覚を備えていない新世代の日本人歌手が登場してしまった!と衝撃を受けたのでありました。メロディ・ラインは日本的なのですが、感覚が全然日本的ではないという、実に不思議な歌手だと思いました。
そんな1枚目に比べると06年発表の2枚目は、独特のクール&ドライな感覚はあったものの、少々インパクトに欠ける仕上がりで、あまり聞くことはありませんでした。ですからこの3枚目も大して期待はしていなかったのです。しかし実際に聞いてみると、これがなかなかの力作に仕上がっているのであります。
RIE FUという娘はメロディ・メーカーとしての才能は非常に優れていまして、いつも印象的な美しいメロディを書きます。このアルバムではこれまでと同様に、地味ながらも煌めくようなメロディを聞くことができます。そして独特の持ち味である日本人離れしたクール&ドライな感覚を保ちつつも、1枚目に比べればしっとりとした日本的な情緒を徐々に感じさせるようになってきていて、歌手としてもステップ・アップしたような印象があります。ちょっと鼻声気味でありつつ力強い歌声も、相変わらず良い感じです。このアルバムを聞くに連れ、やはり彼女も日本人だったんだなあと、ちょっと安心してしまったりもしています。
最近は才能のある若手女性歌手がボチボチと出てきていますが、このRIE FUという歌手、個人的には絢香や安藤裕子なんかと肩を並べる実力派の若手として、今後の更なる成長を期待したいですし、それだけの力を持っている歌手だと思います。
あと、コメント欄に試聴を貼り付けておきますので、よろしければお試しを。