
久し振りに近所のタ○ーレコードに寄ってみたら、ラヴ・サイケデリコが全米デビューしたとかいうことで、メリケン仕様というベスト盤が出ていましたので試聴してみました。この連中を聞くのは何だか久し振りでしたので、思わず取り上げたくなった次第であります。
ラヴ・サイケデリコの音楽を初めて耳にしたのは7年ほど前のことだったでしょうか、一色紗英が出ている時計か何かのCMだったのですが、最初はシェリル・クロウの曲だと思っていました。しかしよく聞くと日本語が混ざっているので、「これは面妖な!」などと思いつつも、シェリル・クロウが日本のファンの為に日本語バージョンの歌を出したのだろうと思っていました。
しかし調べてみると、これはシェリル・クロウではなくて、ラヴ・サイケデリコという日本のグループの「YOUR SONG」という歌だということが判明しました。それまで聞いたことがない斬新さを持った、なかなか面白いグループだと思いました。この連中については、メディアでは「洋楽テイスト溢れる音楽」みたいなフレーズで宣伝されていましたが、シェリル・クロウと間違えたぐらいですから、私も彼等の洋楽テイストを感じ取っていたわけです。
そんなわけでこの連中に興味を持ち、ゲットしたブツがこの連中のデビュー作である01年の「グレイテスト・ヒッツ」というアルバムです。聞いてみると、なるほど、表面的には洋楽テイスト溢れる音楽に聞こえますね。しかしよくよく聞いてみると、洋楽とは全く異なるモノが聞こえてきます。洋楽の連中とは決定的に違うモノをこの連中は持っているのです。それが何かと言うと、いかにも日本的な侘び寂びの情緒であります。
音楽的にはシェリル・クロウとかを思わせますし、英語と日本語がゴチャ混ぜになった歌詞もこれまでの日本のミュージシャン達と比べれば相当に異質です。それなのにこの音楽が放つ夕暮れ時の黄昏たような雰囲気と、そこから沁み出してくる切ないとか儚いとか表現できるいかにも日本的なしっとりした情緒は、一体何事なのでしょうか?どんなに洋楽的であっても、優れた日本のミュージシャンというものは必ず日本的な情緒を持っているものなんだなあと、妙に感心したものであります。
本作はアルバムのタイトル通り、曲もベストと言えるものが揃っています。ポップで親しみやすいメロディ、ちょっと安っぽいガシャガシャとした演奏、キリっとして男前な女声ボーカル、どれを取っても文句をつけるところなどありません。完璧な一枚と言えるかと思います。
デビュー作にして最高傑作をつくってしまったこの連中、その後は洋楽的なロックやブルースっぽい音を前面に出すようになってきて、日本的な情緒をどこかへ置き去りにしてしまったような音楽を展開し、どんどん面白くなくなっていきました。2枚目のアルバムを聞いて「全然ダメじゃん!」と感じ、その次のアルバムはほとんど聞いていません。しかし今回タ○レコでベスト盤を試聴したことで、他のアルバムも聞き直してみようかという気になった、ころんでございました。
あと、今回は試聴の貼り付けは致しません。ご存知の方は多いでしょうから、貼り付けるまでもないかな、と思いますので。