
ベトナムのベテラン民歌系歌手アイ・ヴァンの、08年のアルバムであります。前から顔と名前は知っていますが、実際に聞くのはこれが始めてであります。若い娘好きの私ですからオバハンには興味が向かなかったのですが、プランテーションの店長さんのお薦めということでゲット致しました。
それにしてもこのジャケ、凄い衣装ですね~。何とド派手な服でありましょうか。思わず「お前は西太后か!」と突っ込みたくなるジャケであります。でもこの人、オバハンにしては(?)非常にキレイな顔をしておりまして、まるで元タカラヅカの男役みたいな雰囲気があります。もしかして白人の血が混じっているのか?という不思議な顔立ちでありますが、実際のところはどうなのかは知りません。
元タカラヅカの男役?

このブツの内容の方ですが、流石にプランテーションの店長さんが「これはいいですよ!」とおっしゃるだけあって、相当に聞き所の多い作品に仕上がっています。大雑把に言えば民歌系ポップスということになりまして、巨乳娘のファム・フォン・タオと同系統の音楽をやっているワケですが、ファム・フォンのブツとの最大の違いは、サウンド・プロダクションが非常に優れているということになるかと思います。
1曲目は民歌をポップス調に仕上げたごく普通の民歌ポップスに聞こえますが、実にさり気なく歌を引き立てるアレンジになっています。そして2曲目でワタスはあっと驚いてしまったのでありますた。何ともオシャレなイージー・リスニング調の音作りがしてありまして、民歌がこんなにも爽やかでオッサレーなポップスになるんだ!ということにシビレてしまったのでありますた。
その後の曲もアレンジに素晴らしく工夫が凝らしてありまして、伝統楽器とロック調の音が見事にマッチした曲や、スペイシーで立体的な音作りの曲、さり気なくテクノを取り入れた曲等々、実にバラエティに富んだアレンジがなされています。特に5曲目は優雅な民歌と思っていたら、突然打ち込みビシバシの音になってアイ・ヴァンが優雅なベトナム語ラップを披露するという、まさに驚愕の1曲になっているのでやんす。
これだけ色々とやっていても、どの曲も実に優雅でアジアンな情緒が溢れる仕上がりになっていますが、これはアイ・ヴァンの伸びやか且つ艶やかな、本当に惚れ惚れしてしまう美しい歌声に拠るところが大きいです。この人、控え目に何気なく歌っているように聞こえますが、実はとんでもなく上手いという大変な実力者でありますね。素晴らしい歌手だと思います。アイ・ヴァンだからこそ、色々なアレンジの曲を歌いこなせたのでしょうね。
実はこのブツ、最後まで購入を迷ったブツだったのですが、これはゲットして本当に良かったと思います。民歌系のブツの中では、以前取り上げたタイン・タオのテクノ民歌と並ぶ、素晴らしい大傑作だと思います。感服致しました!
あと、今回は試聴が見つかりませんでしたので、試聴の貼り付けは無しです。