2017’03.22・Wed

PEDRO ARROYO Y SU ORQUESTA 「VINE PA’QUEDARME」

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 コロンビア出身のサルサ歌手ペドロ・アロージョの、1989年盤であります。全く知らない人だったんですけど、当時のサルサ界では「涙のソネーロ」なんて言われて、哀愁たっぷりの歌唱がサルサマニアの間では評判になったらしいです。80年代のサルサと言えばサルサ・エロチカとかサルサ・ロマンチカなんて言われる、スムーズ&オッサレーな音が主流でありまして、中村とうよう氏あたりが先頭切って批判しまくってましたよね~。オカマ歌手の腑抜けサルサ、みたいに評されていた記憶があります。以前はサルサが嫌いだったわっちにとっては、硬派なサルサもオカマサルサもどっちもどっちって感じだったんですが、確かにオカマサルサは気持ち悪いかな~って気はしておりました。

 今回取り上げる盤ですが、ジャンル的には所謂サルサ・エロチカであります。ペドロ・アロージョというおっさんは女性的な高い声で朗々と歌う歌手なんですけど、ちょいとナヨっとした感じもありますので、確かにオカマ歌手と呼ぶに相応しいかもしれません。そんなオカマ歌手が、スムーズ&オッサレーなサウンドに乗せて女性的な歌を聞かせるワケですから、70年代に大爆発していたバリバリに硬派なサルサこそホンモノのサルサだと思っている人からすれば、「こんなモンはサルサじゃねえ!」なんて言いたくなるのもわかる気はします。ウィリー・コローンとかイスマエル・ミランダとか聞いていた人からすれば、軟弱過ぎて聞いてられないって感じでありましょう。

 わっちもこのブツが発売された当時は忠実なミュージックマガジン誌の信者でしたから、中村氏が悪口を言っているエディ・サンティアーゴなんかを聞いて、きしょいサルサなんて思っていました。もし当時このアロージョ盤を聞いていたら、「きしょカマ歌手の軟弱サルサ!」なんて切り捨てたことでありましょう。しかしとっくの昔にMM誌の信者を卒業して、すっかりとサルサ好きになった現在の耳で本当に久~し振りにサルサ・エロチカを聞いてみますと、コレが意外に聞けるんですよ。まあ比べてみれば、歌手とバックの演奏が対等な関係で火が点いたかのように盛り上がって行く70年代サルサとは全然違っていて、歌手がメインでバックの演奏はそれに隷属しているみたいな感じですから、「こんなのサルサじゃねえ!」と言えないことはないかと思います。しかし、70年代サルサとは全く別物の、オッサレーなサルサ風の歌謡曲として割り切って聞けば、コレはコレでありなのかな~って気がしますね。

 だからと言って積極的に聞きたい音楽かと言うと別にそんなことはないですし、どうせ聞くなら70年代サルサを掘り下げて行きたいと思いますが、こういう音楽があるというのを知っておくのもアリだと思います。あと、別にどうでもいいんですけど、出来れば軟弱オカマ歌手のエディ・サンティアーゴを超久し振りに聞き直したくなって来ましたので、ボチボチとどこかで探し当てられたらな~と思っている、今日この頃なのでやんす。
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