2008’06.16・Mon

KITCHIE NADAL「LOVE LETTER」

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 フィリピンの女流シンガーソングライター、キッチー・ナダルの待ちに待った新作がついに出ました!フィリピン音楽界の至宝、バービー・アルマルビスが産休で現在休業中ですから、個人的には妹分的存在のキッチーに大きな期待を寄せているのであります。


 前作のミニ・アルバムについては今年の2月13日に取り上げましたが、その時に「ダイナミックな奥行きの深さが加わって、一躍フィリピン・ロック界のトップに踊り出てきた」と書きました。そして「ここまでの深化を見せつけられると、ミニ・アルバムでは満足できない」とも書きました。そして発表されたのがこのブツなのですが、前作で聞くことができた深化した世界を、フル・アルバムのスケールで展開してみせてくれています。これは凄い作品ですよ!


 モジョフライでバンド活動していた頃やソロ・デビューした頃と比べると、バンド・サウンド的な展開はめっきり陰を潜めてしまったのですが、その代わりプログラミングなんかを多用したじっくりと練り込んだ音作りによって、よりパーソナルな内面世界を美しく表現するようになってきました。曲によってシタールやピアノやアコギなんかの音を実に効果的に使いながら、クラクラしてくるようなめくるめく幻惑的な音世界を展開しています。これは非常に妖しくも魅力的な世界ですね。元々淡々としたダークな音が持ち味の人だけに、この浮遊感のある内向的な音作りとは抜群に相性が良いようであります。この音は、ピーター・ガブリエル先生を思い出させるところがありますね。


 これまでのキッチーの歌は、斜に構えたような皮肉っぽい表情を持った歌い口だったのですが、このアルバムで聞ける歌は淡々としていて非常に素直に感じられ、これまであまり感じられなかった優しい表情を聞き取ることができます。彼女に一体どのような心境の変化があったのかは知りませんが、音作りだけでなく歌の方も更なる深化を遂げています。うーむ、素晴らしい!


 これまで私はキッチーのことを、バービー・アルマルビスの妹分的存在だと思っていましたが、ここで聞けるキッチーにはどうやらこの表現は適切ではなくなってきているような気がします。比較対象としては、シンシア・アレクサンダーを挙げる方が相応しいかもしれませんね。何にせよ、キッチーがこれ程までの深化を遂げるなんて想像もしませんでしたが、どうやらフィリピン音楽界のホンモノの怪物がまた一人、目を覚ましてしまったようですね。


あと、コメント欄に試聴を貼り付けておきますので、よろしければお試しを。
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14曲目の「HIGHWAY」です。多分シングル曲です。
http://jp.youtube.com/watch?v=A2Sx32l4NHQ&feature=related


5曲目の「INIIBIG KITA」です。アルバムではストリングスを使ったアレンジでしたが、ここでは電子音楽的なアレンジになっています。
http://jp.youtube.com/watch?v=0aWFVoFbZkw

ころん:2008/06/16(月) 22:28 | URL | [編集]

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