2007’10.14・Sun

JUAN DE LA CRUZ 「MASKARA」

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 70年代に活躍したフィリピンのハード・ロック・バンド、ファン・デ・ラ・クルースの、名盤の誉れ高いアルバムのリイシュー盤です。キッスの出来損ないのようなジャケですが、この顔のペイントは何か意味があるのでしょうか?変なジャケとは裏腹に内容の方は、いかにも70年代という感じのギターが大活躍するブルース・ロックを基調とした、ヘヴィでシンプルな力強い音が素晴らしいです。一般的にこのバンドは、サイケデリック・ロックというカテゴリーで認識されているようですが、本作はレッド・ツェッペリンなんかと比較しても良い出来かと思います。


 基本はギター、ベース、ドラムの3ピースのハード・ロックなのですが、ヘヴィな楽曲の合間に流麗なストリングスに飾られたドリーミーで美しいバラードがあったり、英国の田園風景を思わせるトラッドみたいなインストがあったりして、一筋縄ではいかない奥の深い音楽性を聞かせてくれます。70年代のイギリスのハード・ロックがお好きな方にはたまらない逸品ではないでしょうか?フィリピン・ハード・ロックの真髄ここにあり、といった感のある素晴らしい作品ですね。


 ただ、ちょっと気になった点を挙げておきますと、このリイシュー盤には曲の作者どころかメンバーの名前さえも記載されていません。ライナーなんてものがあるどころか、ジャケは単なる一枚のペラ紙なんですよね。しかも裏は白紙。これはちょっと酷いです。少なくともメンバーの名前ぐらいは書くべきでしょう。メンバーは、ドラムがスピード・シンキ&グルーのメンバーだったジョーイ・スミス(JOEY SMITH)、ギターがウォリー・ゴンザレス(WALLY GONZALEZ)、ベースがマイケル・ハノポル(MICHAEL HANOPOL)だと思います(間違っていたらご指摘下さい)。歌は全員で担当しているようですが、確かなことがわからないのが残念であります。リイシューというものは、単に音だけ再発すればそれで良い、というわけではないと思うのですが…。まあ、彼らのオリジナル盤は時価で何十万円の価格がついているらしく、音を再発するだけでも意義は大きいのかもしれませんけどね~。


 それはともかく、こういう音楽を聞くと、70年代のハード・ロックから抜けられない熱狂的なマニアが少なからず存在するのが理解できます。そこから発せられているエネルギーの量が半端ではありませんから、血沸き肉踊るという感じになっってしまうんですよね。軽く聞き流すことを許さない、強烈な磁場を持った音楽だと言えると思います。個人的にはこれまで70年代のハード・ロックには興味が無かったのですが、これをきっかけにフィリピンだけでなく、世界中の昔のハード・ロックのブツを聞きたいという気がしてきました。でも、気がするだけで、多分聞かないんですけど。
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