2016’12.17・Sat

城南海 「月下美人」

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 奄美大島出身の島唄歌手、城南海(きずきみなみ)の今年発売のアルバムであります。最近はカラオケの女王として認知されている感のある南海ちゃんですが、本来は島唄の将来を背負って立つべき本物の天才歌手であるということは、昨日書いた通りであります。このブツはそんな南海ちゃんの、カバーアルバムを除く4枚目のオリジナルになりまして、路線としては前回取り上げました3枚目のブツと同様の、島唄のコブシ回しが自然に滲み出て来るポップス路線になっております。島唄でもポップスでも普通にこなすことが出来る南海ちゃんらしい作品と言えるかと思います。

 ただ南海ちゃんのポップス路線というのは、南海ちゃんを売って行く上では正しいと思いますが、しかしデビュー盤の前衛島唄路線の衝撃を知ってしまっている者としましては、南海ちゃんの穏やかなポップス路線の素晴らしさは認めつつも、心のどこかであの衝撃のデビュー盤の影を追い求めてしまうのも事実でございまして、出来れば島唄とポップスが完璧に融合したような音楽をヤッテ欲しいな~なんて思っているのであります。南海ちゃんに対しては常にそんな複雑な思いを抱いているわっちでございますので、当然この盤を聞く時も「今回も期待通りにはならないんだろうな~」なんて、ちょいと斜めから(?)聞くような態度になってしまうのでありました。

 で、結果としましては島唄らしさは所々に聞かれるコブシ回しだけという感じで、楽曲自体はポップスそのものでありますので、やはり思った通りの作品かな~って感じです。南海ちゃんの歌はまさに「間違い無い」というレベルでありまして、凡百の歌姫どもなんぞは足元にも及ばない素晴らしい輝きを放っていますし、もし南海ちゃんではなくて他の歌手がこんな歌を歌っていたら、わっちも大絶賛するんじゃないかと思います。しかしやっぱり南海ちゃんだからな~・・・なんて思いながら聞いていたんですけど、ラテン~サンバ調に弾けた7曲目の「夜の風」という曲が流れてきた時にふと思いました。この曲って南海ちゃんの笑顔が見えて来るような仕上がりなんですけど、このノリノリに弾けた楽しそうな南海ちゃんの歌を聞いて、「嗚呼、南海ちゃんはコレでイイんだ」と感じたのであります。

 勿論島唄とポップスの完璧な融合を聞きたいという気持ちに変わりはありませんが、しっとりしたスローもノリノリのアップテンポでも、ポップスでも歌謡曲でもラテンでも何でも、島唄歌手らしいコブシを回しながら歌いこなしてしまう南海ちゃんの歌声を聞いていると、当分はこの路線でイイかな~と思えるようになって来ました。おそらくその内に前衛島唄路線に戻ることもあるでしょうし、今は南海ちゃんが美しく紡ぎ上げているこの路線を素直に楽しめばイイかな~って。そう考えると、曲も粒揃いなこの盤も耳に沁みて来るようになりまして、「わっちはポップス路線の南海ちゃんが好きでやんす!」と堂々と言えるようになったかな~なんて気もする今日この頃なのでありました。
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