2017’07.25・Tue

野田幹子 「ハッピー・エンドが好き」

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 シンガーソングライター野田幹子の、1989年のアルバムであります。先日取り上げました「蒼空の一滴」の次の作品ですね。ムーンライダーズの連中が全面的に参加した「蒼空の一滴」は紛れも無い傑作盤に仕上がっていましたが、その次のアルバムという事で野田さんには「アレを超える盤を作らなければ!」などというある程度のプレッシャーがあったのかな~と推測致しますが、歌も上手くなければルックスもイマイチのクセに百戦錬磨のおっさん達を平然と手玉に取ってしまう不思議ちゃんには、そんなこと関係無かったようですね。相変わらずの「ヴェッルヴェット・ヴォイス」ぶりをガンガンに発揮しながら、飄々と楽しげな作品をぶっ放しているワケですから、大したモンだと思います。

 このアルバムでは野田さん自身のバンドBLUE EYES OF FORTUNEを率いているのですが、バンドとしての一体感など皆無と言っても良いかと思います。ムーンライダージを手玉に取ってしまったように、バックの連中を平然と手玉に取って、飄々と己のヴェルヴェット・ヴォイスの世界に聞く者を引きずり込んでしまうんですよね~。バックのおっさん達なんて自分の引き立て役でしかなくて、あくまで中心は野田さんの歌声って感じであります。しかしこの歌声がやはり実にイイですから、ハマってしまう人にはズブズブの魅力的な音楽に聞こえてしまうのであります。しかも「自分が自分が!」と前にしゃしゃり出て来ているワケではなくて、実に自然体でそんな世界を作り出してしまっているのですから、やはり野田さんってワケがわからない不思議ちゃんであります。

 しかもタチの悪いことに(?)このアルバム、めっさ良い曲がズラリと揃っているのでありますよ。オールディーズ的と言いますか、60年代とか70年代の洋楽なんかに影響を受けつつ歌謡曲的な感覚も併せ持った楽曲は、実に魅力的であります。特に「KITCHEN VENUS」なんて曲は、シンプルなのに超カッコいいノリノリロックンロールに仕上がっていまして、何だか知りませんけどまいっちんぐマチコ先生って感じであります!どれもこれも本当に魅力的な曲ばかりで、楽曲的にはムーンライダーズが全面的に参加した前作を超えていると思いますね~。「SWEET LOVE SONG」なんてフォークでアコースティックな曲は野田さんの魅力大爆破でありまして、思わずチビってしまいますよ♪

 更に音作りも実にイイ感じでありまして、ドッカンドッカンと響く確信的なドラムの音、昔のロック的なフレーズを次々に放つカッコいいギターの音、地味~に土台を支えるベースの音、控え目に味付けをするシンセ類、どれもエエ音で鳴っております。ビートルズとかの英国ロックに影響を受けたのか何なのかは知りませんけど、曲によってはシタールの音を響かせたりハモンド・オルガンやハーモニカの音を鳴らしたりと、ロック好きの耳をくすぐる仕掛けも色々と散りばめておりまして、やはり野田さんって人を手玉に取るのが上手いですね~。イヤイヤ、これまでこんな素晴らしい傑作の存在を全く知らなかったなんて、自分の無知蒙昧ぶりを大いに反省させられてしまう一枚であります。野田さん、アンタはマジで凄いです!
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