2008’12.05・Fri

ベトナムの歌手ミン・トゥの、07年の2枚目のアルバムです。CDと2曲入りVCDの2枚組になっています。プランテーションの店長さんのお話では、あちらの若者にはかなりの人気があるそうです。ちょっと謎めいたジャケもいい感じですし、ルックスもなかなか良いのでゲットしてみました。
このブツ、内容的にはベトナム・ロックですね。しかも普通にレベルの高いロックです。これなら誰が聞いても、あまり違和感無く聞ける作品に仕上がっていると思います。おそらく、ロック・ファンであまり言語を気にしない方には受け入れられるのではないかと思います。フィリピンのロックやポップスなんかがお好きな方なら、「ベトナムのロックって凄えイケてんじゃん!」と驚かれるのではないでしょうか。バンドっぽい音をやっていた頃のキッチー・ナダルと、ハードロッキン娘のイェン・コンスタンティーノを足したような魅力があります。楽曲の良さ、立体感のある音作りの良さ、ちょっとハードな響きのある過不足無いアレンジ、どれを取っても納得の一枚であります。
そして、ミン・トゥの歌がまた良いのです!個人的にベトナムの歌手に下手な人はいないと思っているのですが、この人も例外ではなく、相当な実力の持ち主です。言語的な問題があるのか少々もたつくように聞こえる部分もありますが、非常に感情豊かに時に激しく時に優しく歌い、ハードな音作りが多い割には決して重くなることはありませんし、歌と音が対等のバランスでぶつかっているようなスリルが感じられます。いや~、非常に良い歌手ですよ、この娘。ベトナムの歌手らしいコブシ回しを聞かせてくれるわけではありませんが、これだけ歌えるなら文句はありません。
まあこれだけロックっぽいと、いかにもベトナムらしい節回しとかメロディを期待している方には、「あれ、何か違うぞ?」ということになるかもしれません。しかしハードロッキンな中にもアジア的な歌謡性は十分感じられますし、アジアだからこそ作れるロックになっていることは間違いありません。だから、ベトナムらしい節回しとかメロディがあまり感じられなくても、私はこれで良いと思います。この娘が素晴らしい実力を持った歌手であること、良い曲と良い演奏が聞けること、それだけでも十分でしょう。わっちはこのブツ、大好きでやんす。進化しているベトナム・ロックの充実振りを体感できる一枚ですね。
あと、コメント欄に試聴を貼り付けておきますので、よろしければお試しを。
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