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2019’11.28・Thu

IDIR 「ICI ET AILLEURS」

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 フランスで活動しているアルジェリア人フォーク歌手イディールの、2017年発売のアルバムであります。1973年に歌手デビューして以来安定した人気を誇る人でありますが、わっちはこの人の名前は知っていたものの音楽を聞いたことは一度もありませんでした。だってこんな人のCDがブックオフとかに出て来るなんてあり得ませんし、手に入るはずがありませんしね~。しかしそこはやっぱりSPOTIFY、検索すればすぐに出て来るワケですから有り難いったらありゃしません。

 イディールさんはアルジェリア北東部の山岳地帯カビリアに住むベルベル系のカビール人の血を引く人ですが、カビールの音楽はアラブ的なクセが少なくてメランコリックな曲調のモノが多いんだとか。実際にイディールさんの音楽を聞いてみますと、深く思索しているような沈んだタイプの曲が多いんですよ。歌も何だか泣いている様な感じに聞こえますし。実は前に取り上げましたスアド・マシもカビール人なんだそうですが、なるほど、マシさんがヤッテいる美しいシャンソン・フォークのスタイルって、カビール人の伝統を受け継いでいるのですね。イディールさんの音楽を聞いて初めて気が付きました。

 ところでアルジェリアの音楽って、ライとかシャアビなんかが有名ですよね。歌謡要素が強いコブシ回しバリバリのライ、べらんめえ調のガラッパチな歌い方が特徴のシャアビなんかも面白いですけど、比べてみるとカビールの音楽はライやシャアビとは全然違っていて、本当にクセが少なくて聞きやすいですよね~。メロディやフォークっぽい音作りも美しくてわかりやすいですし。それでいてアラブ的なエキゾな雰囲気は濃厚にありますので、アラブ音楽って取っ付き難くて苦手と感じている人でも十分聞けるのではないかと思います。

 今回のアルバムはフォークっぽいモノだけではなくて、ロックやシャアビ、シャンソンなんかの要素を取り入れたような曲もありますし、カビールフォーク一辺倒というワケではない幅広さがあるのがイイですね。まあ活動歴が長い人ですから引き出しは数多く持っているんだと思いますけど、それを自然な形で血肉化して表現出来ているのがステキです。イディールさんってこれまで殆ど評判になったことは無い歌手かと思いますけど、こんなに素晴らしい歌手に出会うことが出来て、本当に嬉しく思う今日この頃であります。
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