2010’11.30・Tue

ペイズリー・アンダーグラウンドと言えば、わっちの青春時代のサウンド・トラックみたいなものでやんす。まあ青春時代にペイズリー・アンダーグラウンドなんて、まともな人間が辿る道筋ではないのでありますが、好きだったのだから仕方ありません…と言いますか、ルークトゥンを連発で取り上げていたクセに、突然メリケンの80年代アンダーグラウンド・ロックを取り上げるという振れ幅が、まともな人にはとても理解できない感覚かと思ったりして。
ペイズリー・アンダーグラウンドと呼ばれるムーヴメントには風変わりな連中がたくさんいまして、ドリーム・シンジケート、スリー・オクロック、ヴァイオレント・フェムズ、グリーン・オン・レッド等々、思い出すだけでニヤケてしまうようなバンドが多々おりました。あ、R.E.M.やバングルスなんかもその流れから出て来たバンドですよね~。
貧しかった為に年に4枚ほどしかレコードを買えなかった高校生の頃、LPのジャケを眺めて想いを寄せ、必死のパッチでチェックしたFM番組から録音したペイズリー・アンダーグラウンドの連中の音を、それこそ舐める様に聞いていたワケなんですが、その中で一際異彩を放っていたのが、このレイン・パレードでございます。何の飾り気も無い簡素な演奏と風呂場で鼻歌でも歌っているかのようなヘロヘロな歌が醸し出す独特の漂うような浮遊感と、ダラダラと弛緩した平板なメロディが、強烈な印象を残す連中でございました。普通の人間なら好きになるはずの無い類の音楽なのですが、まともな人間ではなかったわっちは、めっさ好きだったのであります。そんなバンドのブツを、つい先日ブック○フで見つけてしまったワケでありまして、これは買わずにはいられないでしょう。500円也。
そしてペイズリー・アンダーグラウンド好きという暗い青春時代を経て、アジア音楽ジャンキーとなってしまった現在の耳でこの連中のブツを聞いても、やっぱり面白い音楽だと感じられます。何が面白いって、何もかも面白いんですけど、特にサウンドの要となっているエレキ・ギターの音がめっさ好きなのでやんすよ。この音って何と表現したら良いのかよくわからないのですが、儚くて淡いサイケな音とでも言いましょうか、耳辺りが柔らかくて実に優しい音なんです。攻撃的なところなど一切無く、自分の世界に引きずり込むような吸引力があるわけでもなく、ただ淡々と鳴っているだけの音なのであります。そんなギターの音が、思わずまどろんでしまうような心地良さをもたらしてくれるのでやんす。
実際にこのだる~い雰囲気の音は、わっちに取っては「心地良い」としか言いようがありません。前向きな活力とか向上心みたいなものは全く感じられないのですが、「まあまあ、焦らずボチボチ行きましょうや。きっといい事あるよ♪」みたいに、優しく現状を肯定してくれているように感じられるのであります。その点で前に取り上げましたルナなんてバンドと共通した感覚があるようにも思われますが、聞き比べてみるとレイン・パレードの方がもっと淡々としていて穏やかであります。その分わっちはこの連中の方が好みですね~。
あと、コメント欄に試聴を貼り付けておきますので、よろしければお試しを。
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