『YUI 「CAN’T BUY MY LOVE」』
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 私が住んでいる福岡出身ということで個人的に応援したいと思っている、YUIの今年発売の2枚目のアルバムです。この娘、ハッキリ言って歌はド下手です。歌声も幼稚で妙に鼻声なので、あまり魅力的ではありません。なんだか下手クソな椎名林檎みたいな雰囲気ですね。しかし、下手だからと言って切り捨ててしまうことができない魅力があるのも事実です。


 昔、ブランキー・ジェット・シティというバンドがありまして、そのヴォーカルのおっさんの声のきしょさと歌の下手さはまさに救い難かったのですが、異常なほど高いテンションとヒリヒリするような切迫感が、有無を言わせず聞き手をねじ伏せるという音楽を展開していました。YUIの音楽は彼等ほどテンションは高くないものの、ブランキーに似た雰囲気があります。苛立つ若者特有の切迫感と緊張感に溢れていて、耳を傾けずにはいられない吸引力があるんですよね。バックのバンド演奏が非常に良い音を出していることに助けられている部分も多々あるかと思いますが、彼女自身が作っている曲自体は良いものが揃っていますし、やはりこの異様な切迫感は高く評価したいと思います。


 まあこの切迫感というものは、おそらく年齢を重ねる毎に薄れていくものなのでしょう。ですからこのアルバムは、言ってみれば、はかない線香花火の最も明るい瞬間を奇跡的にとらえたかの如きブツだと表現できるのではないでしょうか?今後このパワーを維持できるかどうかは、本人次第であります。鬼束ちひろのように、最初にパッと輝いて後は階段を転げ落ちていくかのようにダメになっていくか、それともこの状態を維持したまま更に成長していけるのか。まあこれで消えてしまったとしても、このアルバムを出すことができただけでこの娘の存在価値はあったということはできるでしょう。


 それにしてもこのブツ、曲は全然ポップではありませんし、かなり重苦しい雰囲気を持っているにも関わらず、何故こんなに売れているんでしょうか?同世代の代弁者のようなとらえ方をされていて売れているのか、タイアップした曲が多いから売れているだけなのか、私にはよくわかりません。しかし、苛立つ十代を過ごした事がある人なら共感できる部分があるアルバムだと思いますので、もしかしたら幅広い世代に支持されているのかもしれませんね。
【2007/12/22 17:05】 東アジア | トラックバック(0) | コメント(0) |
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