『THU THUY 「VIEN KEO MOI」』
gthuthuy001.jpg

 赤い髪と眠そうな目、そしてピンクの唇が妙にソソるベトナムの歌手、トゥ・トゥイの07年のボーナスVCD付きアルバムです。この娘に関するデータは何一つありませんので、経歴等一切不明です。若いのかどうかもわかりませんが、写真を見る限りでは20代前半〜半ばなのではないかという気がします。とりあえずはジャケ買いであります。まあ私が東南アジアのブツを買う時は、常にジャケ買いが基本ですけどね。試聴してから買うのは、プランテーションで買う時だけであります。


 ベトナム歌謡と言えば、歌は素晴らしいけれども音作りがダサい、というのが私の個人的偏見なのでありますが、前に取り上げたタイン・タオといいフォン・タインといい、最近は音作りも非常にレベルが上がってきて、他のアジア地域の音楽と比べても全然遜色無いという感じになってきています。トゥ・トゥイのこのアルバムも、音作りにダサいところなど全くありません。ラップなんかも取り入れたアジアンR&B的な音作りを主体とした、非常にいい感じのアルバムに仕上がっています。


 こうなってくると、実力のある歌手が群雄割拠状態のベトナム歌謡ですから、これからは必然的にレベルの高い作品がゴロゴロと出てくる可能性があるわけです。トゥ・トゥイのこのアルバムなんかは、ベトナム歌謡のレベルアップ具合を知る為の、非常に良いサンプル・ケースになるのではないでしょうか?眠そうな顔に似合わず(?)非常にしっかりした上手い歌、しっかりしたサウンド・プロダクション、ベトナム的な味わいをしっかりと残しつつR&Bやロック、ポップスの要素なんかを取り入れた魅力的な楽曲、どれを取っても一級品であります。


 それにしてもこの娘、良い歌手ですね〜。東南アジアは魅力的な歌姫の宝庫でありますが、この赤毛娘は今後の超有望株だと思います。若々しいながらも落ち着いた歌声で、リズム系の曲もしっとり系の曲も、アジア的な情緒を漂わせつつクールにさらりと歌いこなしてしまう実力、素晴らしいですよ。このアルバムでは3曲だけですが、自分で曲も書いています。これからが非常に楽しみな娘であります。このアルバムのジャケには「VOL.2」の文字が見えますが、ということは「VOL.1」も出ているわけで、次のアルバムが出るまでに、まずはそちらを聞いてみたくなりました。是非探してみようと思う今日この頃でやんす。


ちょっとやらしい感じのインナー写真。
gthuthuy002.jpg


あと、コメント欄に試聴を貼り付けておきますので、よろしければお試しを。
【2008/07/27 17:58】 ベトナム | トラックバック(0) | コメント(1) |
『THANH THAO 「BIET DAU NGUON COI」』
gthanhthao001.jpg

 ベトナムの歌手、タイン・タオの06年のアルバムです。ジャケを見る限りでは、いかにもベトナム風の民歌を明るく可愛らしく歌ってくれそうな感じに見えますね。インナーの写真を見ても、ベトナムの民族楽器なんかを持ったりしていて、非常に期待が持てます。なんだか「当たり」の雰囲気が見るからに漂ってきますね。当然の如くジャケ買いのブツであります。


 どんなに清純で可愛らしい歌を聞かせてくれるのかと思い、ワクワクしながら再生してみると…ありゃりゃ、何じゃこりゃ?どこからどう聞いてもベトナム歌謡なのですが、メチャメチャおかしな音が飛び出してきたぞ?テクノとかポップスとかハードロッキンなギターとかラップとか中華ポップス風とかメリケン・カントリー風とか、とにかく色々な要素をぶち込んだメチャメチャ楽しい音作りではないですか!


 取り上げている曲は、元々はしっとりとしたアジアンな情緒溢れる民歌のはずなのですが、過激なミクスチャー感覚によって、ユーモア感覚溢れるとんでもなく素晴らしい仕上がりになっています。これはミクスチャー民歌とでも言いましょうか?しかも実験的でありながら頭でっかちな所など全く感じられない、実に自然な作りであります。しっとり民歌がこんな風に変わり果ててしまうなんて、思い付きもしませんでした。うーむ、ベトナムにもこんな音楽を作る人がいたんですね。この融通無碍なる感覚、東南アジアならではのパワーが感じられます。恐るべし!


 タイン・タオさんの歌もちょっと人を食ったような感じがあって、この過激で楽しい音作りにピッタリとハマっています。ちょいとハスキーな、実に魅力的な歌声を持つ人であります。ユーモア感覚が全面に出てきてはいますが、じっくりと聞けばいかにもアジア的なしっとりした情緒も感じられますし、一筋縄ではいきませんね〜。


 これまでベトナム歌謡を聞いて、歌の素晴らしさにシビレることは多々あっても、サウンド・プロダクションにヤラれてしまうことはありませんでした。しかしこのアルバムについては、もう感服する以外にどうしようもありません。ベトナム・ポップス史にその名を刻み込む大傑作!なんて言うのは大袈裟でしょうか?


民族楽器とタイン・タオ
Gthanhthao002.jpg


ちょっとおすましのタイン・タオ
Gthanhthao003.jpg


笛も吹くわよ!
Gthanhthao004.jpg


あと、残念ながら今回は試聴を見つけることができませんでしたので、試聴の貼り付けは無しです。どなたか発見された方がいらっしゃったら、是非コメント欄に貼り付けて下さい。
【2008/07/26 00:14】 ベトナム | トラックバック(0) | コメント(2) |
『PHUONG THANH 「SANG MUA」』
gphuong001.jpg

 ベトナムのベテラン歌手、フォン・タインの07年のアルバムです。この人の経歴なんかは全く知りません。ベトナム音楽については非常に情報が少ないので、わからないことばかりなんですよね〜。このブツはネット・ショップでゲットしたのですが、ネット・ショップでのジャケ写が、実は私が密かに好きな大人のアイドル(?)桜井風花に似ているように見えたので、ついつい手が出てしまったのでやんす。でも実際は桜井風花というよりは、広田れおな(漢字忘れた)に似ているかもしれません。


 フォン・タインさん、歌手生活は十数年に及ぶようですが、YOUTUBEのライブ映像なんかを見る限りでは、なかなか安定した人気があるようです。ベテランらしい堂々たる風格があるように見受けられますね。音楽的には、ロックの影響がかなり強いベトナム歌謡(演歌)だと言えるでしょう。時にかなりハードでダイナミックな展開を聞かせる曲があり、時にアジア歌謡らしいしっとりした情緒を聞かせる曲があり、どこを取っても相当にカッコいい音楽ですね。ダサさなど全然無いベトナム歌謡であります。


 そして何と言っても、この人のヴォーカルが凄いです。かなりハスキーな声で、時に魂の叫びとでも言いたくなるような壮絶な歌声を聞かせてくれます。声そのものは葛城ユキなんて歌手を思い出させたりもしますが、歌の迫力は葛城ユキなんかの比ではありません。背筋が凍りつきそうな程の衝撃を持っていると言ってもいいかと思います。それほどまでの迫力を持っているのに、どの曲からもアジア的な切ない情緒が漂ってくるのがまた良いですね。うーむ、素晴らしい。ベトナム歌謡と言えば、これまで私は民歌なんかを中心に聞いてきましたので、ベトナムにもこんな歌を歌う人がいるんだと、妙に感心してしまいました。本当に素晴らしい歌手ですよ。情念の演歌ロックであります。


 それにしてもフォン・タインさん、こんなに良い歌手なのに、おそらく本国以外ではほとんど知られていないのでしょうね。勿体無い話であります。日本のレコ会社はベトナム音楽と言えばフン・タンぐらいしか取り上げませんが、もっと色々な歌手に光を当ててもらいたいものだと思います。このフォン・タインさんなら、取り上げる価値は十分にあるのではないかと思いますが、いかがなものでしょうか?


あと、コメント欄に試聴を貼り付けておきますので、よろしければお試しを。
【2008/07/14 22:53】 ベトナム | トラックバック(0) | コメント(1) |
『MAI HOA 「HANOI 49」』
gmaihoa001.jpg

 ベトナムの歌手、マイ・ホアの05年のアルバムです。言葉がわからないので、実際に何を歌っているのかはさっぱりとわからないのですが、ジャケットの雰囲気といい、ハノイとかチン・コン・ソンとか言っているのが聞こえてくる歌詞といい、何やら懐古的な内容を持ったアルバムだろうと推測できます。曲の方も一昔前という雰囲気のものが多いですし、特にタンゴを取り入れた曲なんかはその傾向が顕著であるように感じられます。


 調べてみると、このアルバムは全曲戦前の歌を取り上げたものらしいです。マイ・ホアは空軍の防空芸術団に所属していて、これまではテレビの映画音楽を歌う歌手として広く知られていたようですが、本作は満を持して発表した戦前歌謡集ということのようです。ノスタルジックな雰囲気が聞く者の耳を惹きつけるという点では、非常にうまくできた作品だと言えるでしょう。しかしうまく出来ているとは言え、個人的にはちょっとヘヴィ過ぎるという感が無きにしも非ずですね〜。


 マイ・ホアはハスキーな図太く低い声で、良く言えばどっしりと落ち着いた堂々たる歌い方を、悪く言えば節回しが重苦しい歌い方をします。この歌の良し悪しの判断は個人の好みの問題となるのではありますが、私はちょっと苦手なタイプです。この声・この歌い方で沈んだ曲調のメロディを歌うので、アルバム全体のイメージとしては非常に重厚な仕上がりになっているのでありますが、同時にちょっと近寄り難いような雰囲気を漂わせているようにも感じられます。ですから、お気楽に聞けるような作品にはなっていないように思います。


 近頃は軽薄な歌が多くてどうもいかんなあ、などとお嘆きの貴兄には、ズッシリとした手応えのある充実した作品として歓迎されることでありましょう。私みたいな軽薄なポップスが好きな人間でも、有無を言わせずにねじ伏せるような力と存在感がありますし、聞き慣れてくると味わいがどんどん出てくる作品でもあります。重厚なベトナム歌謡を聞いてみたいという方にはお薦めのブツですね。


あと、残念ながら試聴を見つけることができませんでしたので、今回は試聴の貼り付けはありません。
【2008/04/20 20:10】 ベトナム | トラックバック(0) | コメント(0) |
『PHI NHUNG 「MUA RUNG」』
gphinhung001.jpg

 物憂げな、今にも泣き出しそうな顔をしたベトナムの美人歌手、フィ・ニュンの06年のアルバムです。見た目通り、白人とベトナム人とのハーフです。日本のオヤジどもに人気がある滝川クリス○ルとかいうアナウンサーと同系統の顔とお見受けしますが、もしかしたら「叱って泣かしてみたい美人歌手」、なんてキャッチ・コピーをつけて売り出せば、日本でもそこそこ売れるかもしれません。個人的には叱って泣かすよりは、叱られて泣いているのを慰める方が良いと思っておりますが…どうでもいい話ですね。


 この人、一度はアメリカに渡って在米ベトナム人コミュニティで歌手活動をしていたそうですが、理由はわかりませんがベトナムに帰国し、故郷で歌手活動の再スタートを切ったとのことです。本作はベトナムでの2枚目のアルバムにあたります。とにかくまずは、整った美しい顔立ちが印象的なのですが、こういう白人的な顔の人がベトナム歌謡を歌っていることに違和感はあるものの、この人にはベトナムに対する強い望郷の念があるのでしょう。切々とした歌を聞いていると、なんとなく伝わってくるものがあります。


 それにしてもこの人の歌声、結構独特のものがあります。ちょっと子供っぽい声で、何だかタイのモーラムの歌手みたいにベチャっと潰したような発声をします。アジアっぽい歌声と言えば確かに非常にアジアっぽいのでありますが、この顔でこの歌い方というのが興味深く感じられてしまいますね。最初からこういう歌い方なのか、それとも白人的な顔立ちであることを自覚していて意識的にこういう歌い方をしているのか、真相はわかりません。その白人的な見た目から故郷の人々になかなか受け容れてもらえない現実と、それでも故郷を愛する心が複雑に入り混じって、アジア人としての自分を強く打ち出す為にこのような歌い方をするようになったのだ、と私は勝手な妄想を膨らませているのですが、いかがでしょうか。


 何にせよ聞き手に色々な事を想像させてくれる歌手っていいですよね。フィ・ニュンの歌を聞いていると、勝手にその半生を想像したくなる、そういう不思議な魅力を持った歌手だと思います。歌だけでなくルックスも含めた総合評価で、非常に気になる面白い歌手であります。


あと、コメント欄に試聴を貼り付けておきますので、よろしければお試しを。
【2008/04/16 22:14】 ベトナム | トラックバック(0) | コメント(3) |
前ページ | ホーム | 次ページ