『DIANNE ELISE 「NOW & THEN」』
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 フィリピンのポップス歌手、ディアンヌ・エリースの07年のアルバムです。このブツ、とあるネット・ショップで見つけたのですが、少々小さめのジャケ写を見た時に、何だか浜崎あゆみに似ているように思えて「フィリピンの浜崎あゆみなら聞かねばなるまい!」ということでゲットしてしまいました。実際にブツが届いてジャケを見てみると、あまり浜崎あゆみには似ていませんでした…。浜崎よりはむしろ、つかもと友希に似ているかも?なんて、どうでもいい話であります。つかもと友希が誰かなんて、余計なことは調べないで下さいね。誰に似ているにせよ、キリッとしたキレイな顔をしていることに間違いはありませんけど。


 まあそんな理由で買ったブツですので、中身の方に期待していたわけではありません。曲目を見ても13曲中12曲が英語のタイトルですから、どうせフィリピンの女性歌手にありがちなメリケンR&B風の声張り上げ熱唱タイプの歌手なんだろうな〜とタカをくくっていました。


 しかし実際に聞いてみると、かなり様子が違いますね。ピアノやストリングスを使った、スロー〜ミディアム・ナンバーを中心とする、アダルトチックなムーディでオシャレなポップスであります。ジャジーでちょっとボサノバっぽい要素も持っている、まるで午後のティータイムをオシャレに演出してくれるかのような音楽なんです。または、夜のリラックスしたひと時をあなたに、という感じと言えばいいでしょうか。私は結構この手の音は好きですね〜。


 顔から判断するに、ディアンヌってまだ若いのではないかと思うのですが、歌は相当に上手いです。ちょっとハスキーながらも軽やかで品のある歌声は、マレーシアのシーラ・マジッドを思わせるところがあります。決して声を張り上げたりすることが無い涼しげな歌声なのですが、ワーッと歌い上げようと思えばいくらでもできる力を持っているけれども敢えてそれをせず、意識して情熱を内に秘めているような抑制の美を感じさせる歌であります。そこからしっとりとしたソウルが感じられますね。素晴らしい歌手ですよ。


 欲を言えば、タガログ語の歌をもっと増やして欲しいということでしょうか?フィリピンの人達にとっては、英語だろうとタガログ語だろうとどっちでもいいんでしょうけど、個人的には独特の響きを持ったタガログ語で歌ってもらった方が嬉しいです。それは今後の作品に期待したいところですね。


 ジャケ写が浜崎あゆみに似ているからというだけの理由でゲットしたブツではありますが、意外にも大変な掘り出し物でありました。いいですね〜、こういう期待ハズレって。だからジャケ買いはやめられません。ジャケ買いは音盤マニアの醍醐味でやんす♪


顔のアップです。
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【2008/07/06 20:07】 フィリピン | トラックバック(0) | コメント(1) |
『KITCHIE NADAL「LOVE LETTER」』
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 フィリピンの女流シンガーソングライター、キッチー・ナダルの待ちに待った新作がついに出ました!フィリピン音楽界の至宝、バービー・アルマルビスが産休で現在休業中ですから、個人的には妹分的存在のキッチーに大きな期待を寄せているのであります。


 前作のミニ・アルバムについては今年の2月13日に取り上げましたが、その時に「ダイナミックな奥行きの深さが加わって、一躍フィリピン・ロック界のトップに踊り出てきた」と書きました。そして「ここまでの深化を見せつけられると、ミニ・アルバムでは満足できない」とも書きました。そして発表されたのがこのブツなのですが、前作で聞くことができた深化した世界を、フル・アルバムのスケールで展開してみせてくれています。これは凄い作品ですよ!


 モジョフライでバンド活動していた頃やソロ・デビューした頃と比べると、バンド・サウンド的な展開はめっきり陰を潜めてしまったのですが、その代わりプログラミングなんかを多用したじっくりと練り込んだ音作りによって、よりパーソナルな内面世界を美しく表現するようになってきました。曲によってシタールやピアノやアコギなんかの音を実に効果的に使いながら、クラクラしてくるようなめくるめく幻惑的な音世界を展開しています。これは非常に妖しくも魅力的な世界ですね。元々淡々としたダークな音が持ち味の人だけに、この浮遊感のある内向的な音作りとは抜群に相性が良いようであります。この音は、ピーター・ガブリエル先生を思い出させるところがありますね。


 これまでのキッチーの歌は、斜に構えたような皮肉っぽい表情を持った歌い口だったのですが、このアルバムで聞ける歌は淡々としていて非常に素直に感じられ、これまであまり感じられなかった優しい表情を聞き取ることができます。彼女に一体どのような心境の変化があったのかは知りませんが、音作りだけでなく歌の方も更なる深化を遂げています。うーむ、素晴らしい!


 これまで私はキッチーのことを、バービー・アルマルビスの妹分的存在だと思っていましたが、ここで聞けるキッチーにはどうやらこの表現は適切ではなくなってきているような気がします。比較対象としては、シンシア・アレクサンダーを挙げる方が相応しいかもしれませんね。何にせよ、キッチーがこれ程までの深化を遂げるなんて想像もしませんでしたが、どうやらフィリピン音楽界のホンモノの怪物がまた一人、目を覚ましてしまったようですね。


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【2008/06/16 22:21】 フィリピン | トラックバック(0) | コメント(1) |
『TRUEFAITH 「DREAM JOURNAL:THE VERY BEST OF TRUEFAITH 1993-2007」』
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 フィリピンのロック・バンド、トゥルーフェイスの93年から07年までの曲を集めた2枚組のベスト盤です。このバンドについてはあまりよく知らないのですが、結構長い間活動しているんですね。イレイザーヘッズなんかと同時期に活躍していていまだに生き残っているわけですから、地元では安定した人気があるのでしょう。日本でも数は少ないながらも根強いファンの方はいらっしゃるようですね。確かプランテーションの店長さんも、凄く良いとおっしゃっていたはずです。


 このバンドの音楽は、ロックと言えば確かにロックなのですが、もっと大人のロックと言いますか、AOR的な滑らかさと柔らかい肌触りを持っています。ロックの中にソウルとかボサノバなんかの要素をさり気なく取り入れて、とてもクールでオシャレな音を聞かせてくれます。瑞々しい新鮮さを感じさせるメロディ作りはまさに職人芸といった感じですし、聞くほどにバランス感覚の取れたセンスの良さを感じさせてくれるバンドだと思います。欧米のバンドで言えば、スタイル・カウンシルなんかを思わせるところがありますね。しかもスタカンなんかよりも演奏力は遥かに上ですから、こちらの方がずっとカッコいいです。


 しかし、私なんかにとっては、聞いているうちにこのバランス感覚の取れた音が段々と物足りなくなってくるのも事実です。あまりの破綻の無さが、ちょっと退屈になってくるわけです。噴き出してくるようなエネルギーとか情熱みたいなものを感じさせるような瞬間があればもっと印象は違ってくるのでしょうが、あくまでクールに淡々と曲が進んでいきますので、引っ掛かりが少ないんです。まあこれは単に私の好みの問題ですので、こういう音楽が大好きだという方もたくさんいらっしゃることでしょう。彼等の音楽がとても良いということは認めますが、だからといって大好きだとは言えない、そういう複雑な心境なのであります。


 ただ、私が何と言おうと、トゥルーフェイスが優れたロック・バンドであるという事実に変わりはありません。フィリピンの音楽でセンスの良いものは何かある?と聞かれたら、私は彼等の名前を挙げると思います。欧米のロックやポップスばかり聞いている人にも、是非お薦めしたいバンドだと思っています。大好きではないけれども人にはお薦めしたい連中、それが私にとってのトゥルーフェイスというバンドなのであります。


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【2008/06/13 22:29】 フィリピン | トラックバック(0) | コメント(3) |
『RIVERMAYA 「BUHAY」』
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 私の大好きなフィリピンのロック・バンド、リヴァーマヤの新作が出ました。リヴァーマヤと言えば、英国ニューウェーヴ的な冷ややかな疾走感を持つクールな音と、情熱を内に秘めたクールなヴォーカルが非常に魅力的なバンドでありますが、これまでほとんどの曲の作詞作曲をしてヴォーカルも担当していたリコが脱退してしまった為、リヴァーマヤは一体どうなってしまうのだろうと心配していました。しかし新メンバーを迎えて無事に新作を出してくれたので、とりあえずはホッとしています。


 脱退したリコは全ての面での中心的人物だったので、リヴァーマヤの音楽性がどの程度変わってしまうのだろう?という興味もありましたし、全然違うバンドになってしまっても面白いかもしれない、などと思っていたのですが、ここで聞けるリヴァーマヤはこれまでのイメージを大きく裏切ることはないにしても、これまでと同じではないというバンドになっています。


 おそらく残されたメンバー達は「リコがいなくなったからダメになった」なんて、絶対に言われたくなかったに違いありません。リコが抜けたというマイナスを、逆に発奮するプラス材料としてとらえたのでしょう。このアルバムのリヴァーマヤは、これまで以上に気合が入ったパワー全開の演奏を聞かせてくれます。特徴だったクールな質感よりも、骨太な逞しさとパワフルな勢いが前面に出てくるようになったと感じられます。そこから噴き出してくるエネルギーの総量は半端ではありません。彼等の演奏がもたらすこの高揚感は一体何事なのでしょうか。歌の力は前より落ちているかもしれませんが、バックの演奏から感じられる迫力は、これぞホンモノのロック!と言いたくなってしまうほどであります。


 このアルバム、各メンバーが持ち寄った曲が収録されていて、曲によってヴォーカルが交替しています。普通ならアルバムの内容にバラつきが出たりする場合もあるのですが、そんなことは全然感じさせない統一感があります。これぞバンド・マジックというヤツでしょうか。バンドとしての一体感がしっかりと感じられるのが良いですね。グランジ系のハードな音もあれば可愛らしいポップソングもありますし、これまでのような寒空を駆け巡るかの如き曲もありますが、何にせよ新生リヴァーマヤは表現の幅が大きく広がったと言えるでしょう。


 それにしてもこのアルバムは素晴らしいです。内容としては英国ニューウェーヴ的なロックではありますが、そこにアポ・ハイキング・ソサエティあたりから連綿と受け継がれているフィリピン的なシャレたポップセンスをまぶして、ちょっとトボけたユーモアを感じさせるところなんかは、昨年の個人的ベスト10の1位に選んだイッチーワームスや、フィリピンの伝説的ロック・バンドであるイレイザーヘッズと肩を並べる力を持った存在であることを実感させてくれます。


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【2008/06/11 21:05】 フィリピン | トラックバック(0) | コメント(3) |
『YENG CONSTANTINO 「JOURNEY」』
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 昨年発売されたデビュー・アルバムが、07年の個人的ベスト10の選外になってしまったフィリピンのシンガーソングライター、イェン・コンスタンティーノの2枚目のアルバムが出ました。これは聞く前からテンションが上がります!不機嫌娘のダニタなんかと並んで、フィリピンの期待の若手女性ロッカーですからね〜。


 まずはジャケですが、僅か一年の間に随分大人っぽくなった感じがします。私は何故か前作発表時のプロモーション用ポスターを持っていたりするのですが、その写真は何だか中川しょこたんを思い起こさせるルックスで、まだまだ幼い感じがありました(しょこたんはイェンより年上ですが)。しかし今回のジャケは、既に大人の女性ロッカーという雰囲気を漂わせています。まあ、化粧の仕方で印象は全然違ってくるのでしょうけどね。


 ジャケでの見た目の変化と同様に、音楽の方も変化しているのかどうか、ワクワクしてCDを再生すると…うーむ、相変わらず元気なロック娘ぶりを発揮していますね。とは言っても、前作みたいにとにかく勢いで押しまくるという作品ではなく、本作では引き技も覚えたという感じで、ジャケと同様に随分と大人になったような印象を受けます。歌声にはまだまだ幼い部分はあるものの、ハードに決める曲はビシッと決めてみせますし、スローな聞かせる曲は情熱を内に秘めてしっとりと歌おうとする姿勢が聞き取れます。かなり歌い慣れて来て、少しは余裕が出てきたのではないかと思われます。ですからアルバム全体に奥行きとメリハリが出てきて、耳に残る仕上がりとなっています。


 全体的な作りとしては前作と同様にハード・ロックが主体となっていますが、フィリピンのメジャーな若手女性歌手にしては珍しくタガログ語中心で歌っていますので、アジア的なしっとりした情緒がほのかに漂ってくるところが素敵であります。そして、どの曲を聞いても地にしっかりと足を着けている安定感がありまして、全てにビシッと筋が通った潔さが感じられます。ソングライターとしても素晴らしい才能を持っていますし、注目すべき存在であることに間違いはありません。フィリピン音楽に興味がおありの方は、要チェックのアルバムだと思います。


 いや〜、それにしても聞くほどに良いアルバムですね。これだけ順調に成長してくれるとは本当に嬉しい限りです。これは間違いなく今年の個人的ベスト10の候補ですね。去年のデビュー作は入賞を逃していますが、今年は確実に入ってくるでしょう。


あと、コメント欄に試聴を貼り付けておきますので、よろしければお試しを。
【2008/06/09 22:56】 フィリピン | トラックバック(0) | コメント(1) |
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