『ORQUESTA RIVERSIDE 「CHA-HUA-HUA」』
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 キューバのビッグ・バンド、オルケスタ・リバーサイドの50年代のアルバムです。昔のキューバの楽団演奏と言えば、アルセニオ・ロドリゲス、ソノーラ・マタンセーラ、オルケスタ・アラゴーン、エンリケ・ホリン、ベニー・モレー等々、凄い連中が凄い作品を色々と残してきているわけですが、どういわけか、このオルケスタ・リバーサイドの名前を見かけることはまずありません。ラテン・マニアの間でこのバンドが評価されている様子は全く無いのですが、一体何故なんでしょうね?


 私のようなキューバ音楽の素人が聞くとこのバンドの音楽は、マニアが最高の評価と賛辞を贈るアルセニオ・ロドリゲスなんかの諸作よりもずっと楽しいと感じます。グイグイとスイングしまくるバンド・サウンドはメチャメチャ良い音で鳴っていますし、分厚い音でありながらもノリは軽快で優雅であります。このバンドの音からは、とにかく聞く人を楽しませることに徹しているような潔さが感じられます。あ、だからこそラテン・マニアは「このバンドは大衆のウケを狙うような軽薄な音を出していてけしからん!」と感じるのかもしれませんね、実際はどうなのか知りませんけど(ラテン・マニアなんて、私の周りには一人もいませんので)。


 まあラテン・マニアが何と言おうが、このアルバムは非常に良いと思います。ラテン・マニアには不評のバンドではあっても、キューバ国民には大人気だったらしいですし、私も大好きです。バンド・サウンドも素晴らしいのですが、歌手のティト・ゴメスと言う人の実力も見逃せない(聞き逃せない)ですね。ベニー・モレーに似た雰囲気を持った歌手なのですが、ピーンと張り詰めていながらも柔らかい温かみを持った歌声が素晴らしいです。超高名なキューバの歌手であるミゲリート・クニーが「ティト・ゴメスは最高だ!」などと言ったらしいですから、その実力は推して知るべしといったところでしょうか?


 何にせよ、オルケスタ・リバーサイドは素晴らしいと思います。キューバ音楽の本流からは外れた連中なのかもしれませんが、十分に聞く価値のあるバンドだと思います。ラテン・マニアのご意見を伺いたいところであります。


 どうでもいい話ですが、ワタクシ、キューバの楽団演奏を聞くと何故か子供の頃を思い出してしまいます。おもちゃ箱をひっくり返して遊んでいるような、すごく楽しくて懐かしい気持ちになるんですよね。子供の頃にキューバ音楽を聞いているはずはないのですが、このリバーサイド楽団とかエンリケ・ホリン楽団とかを聞くと、幼いあの頃の気分を思い出してしまいます。なんだか不思議ですね〜。


あと、今回は試聴音源をみつけられませんでしたので、試聴の貼り付けはありません。
【2008/04/02 22:54】 ラテン | トラックバック(0) | コメント(2) |
『MERCEDES SIMONE 「LA DAMA DEL TANGO」』
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 バーゲンコーナーが充実している為に、定期的に通っている中古盤屋があるのですが、何気無く立ち寄って取りあえずバーゲンコーナーを見る前に、ほんの少しだけあるワールドもののコーナーを見て驚きました。突然「タンゴ」コーナーが出来ていたからです。おそらくタンゴ・マニアから多数の放出があったのでしょう。30枚ぐらい並んでいるブツを1枚ずつ見ていて、ピタリと手が止まりました。何と、学生時代に好きだったメルセデス・シモーネのCDがあるじゃないですか!しかも18曲入り。28年から42年までの古い音源を集めたブツです。これは嬉しい!ということで速攻でゲット致しました。


 学生時代にシモーネが好きだったと言っても、ブツを持っていたわけではなくてFMで数曲ほどエア・チェックしたカセットを繰り返し聞いていただけですので、これだけまとまった音源を聞くのはこれが初めてです。しかし学生時代に好きだったと言っても、今聞いてみたら「何じゃこりゃ?」、ということもあるわけであり、期待と不安でドキドキしながら再生してみると、聞こえてきたのは学生時代に素晴らしいと感じた通りのシモーネの歌声でありました。


 学生の時には全然わからなかったのですが、今聞いてみるとこの人の歌うタンゴは、悲壮感とか退廃的などという言葉があまり似つかわしくありませんね。特にこのブツの前半に収録された曲は、明るくて前向きな、笑顔で楽しむ音楽という感じなんですよね。曲自体があまりタンゴという主張が無いと言いますか、もちろんタンゴではあるのですが、もっとまろやかなふくよかさを持った音楽に聞こえます。フォルクローレとかベネズエラ〜コロンビア方面のストリング・バンドみたいな雰囲気が感じらるんですよね〜。


 そして何と言っても、シモーネの歌がとても良いのです。可愛らしさもありながら堂々としている歌声で、朗々としつつ軽やかな節回しを聞かせてくれる、大変に魅力的な歌手だと思います。流石に年代モノだけに音は良くないのですが、そんなことに関係無く訴えかけてくるものがありますね。この人がタンゴ界やタンゴ・マニアの間でどのような評価をされているのかは知りませんが、私はこの人の歌が好きです。


 あと、今回は試聴の貼り付けは致しません。音が非常に悪くて聞き苦しいですので。
【2008/02/02 18:23】 ラテン | トラックバック(0) | コメント(0) |
『TITO PUENTE 「EL RAY(THE KING) / PA’LANTE! STRAIGHT!」』
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 先日ブック○オフで見つけたニューヨーク・ラテンの大御所でティンバーレス王と言われる、ティト・プエンテの2 IN 1のブツです。「EL RAY」と「PA’LANTE!」という2枚のアルバムを1枚にした20曲入りのお得盤で、600円でゲット致しました。


 ティト・プエンテという人は学生の頃からずっと知っておりまして、名盤の誉れ高い「CUBAN CARNIVAL」とか「DANCE MANIA」なんかも持っていたのですが、以前はラテンのビッグ・バンドがあまり好きではなく、自分には必要無い音楽と判断して中古に売り払ってしまいました。それから時は流れて私の体質も変化してきて、ラテンのビッグ・バンドの魅力というものがようやくわかるようになってきたのですが、そうなってくると昔売り払ってしまったプエンテのアルバムを、実に勿体無く感じてしまっています。それだけにこのブツを発見した時は嬉しかったです!


 プエンテは100枚以上のアルバムを残している人ですが、このブツのアルバムがいつ頃の作品で何枚目にあたるのかはわかりません。オリジナル・ジャケの写真に「TICO」レーベルの文字が見えますので、おそらく60年代以降にTICOに残したステレオ盤群のうちの2枚だと思われます。あ、でも「EL RAY」というアルバムはCONNCORD盤にもあるな…って、どうでもいいマニアックな話であります。それよりも、リイシューするならそれ位のデータ載せとけよ!ってな感じであります。


 まあ何にせよ、プエンテのビッグ・バンドによる、ジャズをも呑み込んだノリノリのゴキゲンな演奏は最高です!重厚なサウンドなのに軽快なフットワークが感じられるリズム・ナンバー、ムーディーなポレーロ等々、どれを聞いても熱くてオシャレで爽快なカッコいい音楽が目白押しであります。ミリアム・マケバの「パタパタ」のトボケた味わいのカバーなんかも素晴らしいですし、ソウル・ミュージックも取り入れた「SHING-A-TIN TIN」なんかもメチャメチャ良いですね。この2曲は前半の「EL RAY」に収録されていますが、後半の「PA’LANTE!」の方が音の勢いという点では勝っているのではないかと思います。どちらにしても非常に良い出来のアルバムなのは間違いありません。


 やはりティト・プエンテは素晴らしいですねえ。だからと言って100枚以上もあるこの人のアルバムを揃えようなどとは思いませんが、ラテン好きなら絶対に外せない人なんだなあということを改めて実感した、ころんでございました。


「EL RAY」のオリジナル・ジャケ?
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「PA'LANTE!」のオリジナル・ジャケ?
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あと、コメント欄に試聴を貼り付けておきますので、よろしければお試しを。
【2008/01/28 21:45】 ラテン | トラックバック(0) | コメント(5) |
『BENNY MORE 「RITMO」』
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 なんとも言えずダサくてセンスの悪いジャケではありますが、キューバ音楽史上に名を残す大歌手ベニー・モレーのアルバムということで、とりあえず買ってみました。タ○ーレコードの新品のバーゲン品で305円、50年代の曲を中心に15曲入りというのがなかなかのお得盤。ジャケが酷いので、多分この値段じゃなければ買ってません。このシリーズ、オマーラとかコンパイ・セグンドなんかのブエナ・ビスタ組のブツを、これと似たようなダサいジャケで色々と出しているようですが、売れるんですかね?


 ジャケのセンスの悪さは置いといて、中身の方はさすがにキューバ音楽史上最高の歌手と謳われたベニー・モレーの音源だけあって、悪いはずがありません。どういうコンセプトで編集された作品なのかは全くわかりませんが、ド派手なホーン・セクションと賑やかなパーカッション群が大活躍する歯切れの良い爽快かつ豪快なフル・バンド・サウンドに乗った豪放なモレーの歌は、やはりいつ聞いても素晴らしいです。とにかく魅力的な歌声を持った歌手で、やや高めのピーンと張りつめたような伸びのある艶やかな声は、まさに唯一無二のものです。


 個人的にラテン音楽はボレーロよりもノリノリのリズム曲が大好きなのですが、このアルバムはその手の曲が沢山入っているのが良いですね。特に、「マラカイボ」というフレーズをバック・コーラス部隊がひたすらしつこく囃し立て続ける、モントゥーノの部分だけを拡大したかのような「MARACAIBO ORIENTAL」とか、オスカル・デ・レオーンもカバーしていた「QUE BUENO BAILA USTED」の怒涛のリズム攻撃なんかには心底やられてしまいますね。


 このアルバム、キューバ音楽マニアから見ればどういう評価が下されるのかはわかりませんが、私のような素人にはとても楽しめる作品に仕上がっています。これ1枚でベニー・モレーが素晴らしい歌手だったということは十分にわかると思います。これからベニー・モレーを聞いてみようという初心者の方(そんな人いるか?)にも十分お薦めできるのではないでしょうか?ベニー・Kも良いですけど、ベニー・モレーも最高ですよ。
【2007/11/27 22:08】 ラテン | トラックバック(0) | コメント(2) |
『ロス・コンパドレス 「やきいもの歌」』
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 秋と言えば、食欲の秋。秋に美味いものと言えば、焼いも?というわけで、今回はキューバの至宝、ロレンソとレイナルドのイエレスエロ兄弟によるデュオ、ロス・コンパドレス(LOS COMPADRES)の登場であります。個人的にはキューバ音楽の中で最も好きな連中です。達者なギター演奏と丸みのある歌声が、とても親しみやすい人達であります。


 キューバの音楽と言えば、アルセニオ・ロドリゲスとかセプテート・ナシオナール・デ・イグナシオ・ピニェイロ(長い名前!)はたまたセステート・アバネーロとかベニー・モレー、もうちょっと新しいところではアダルベルト・アルバーレスとかシエラ・マエストラ、オマーラ・ポルトゥオンドなんかがすぐに思い浮かびます。いずれも素晴らしいミュージシャン達なわけでありますが、みんな楽団演奏の人達ですね。しかし私は、どちらかと言えば小編成の吟遊詩人みたいな連中の方が好きなんです。例えばトリオ・マタモロスとか、このロス・コンパドレスですね。


 ロス・コンパドレスは74年末から75年にかけて東京は赤坂のレストランに長期出演したことがあるらしく、その時に見聞した石焼き芋屋ことを76年に「BONIATO ASADO」、即ち「やきいもの歌」として発表しました。それが02年にどういうわけか3曲入りCDシングルとして発売されました。ポン○ッキーズとかいう番組に使われたらしいのですが、そのブツがこれです。ジャケはキモいですが、中身は最高です。


 実はこの曲、日本語で歌われています。聞こえてくる物売りの声「それは焼き芋屋さん キューバのピーナッツ売り 思い出す」とか「いーしやきいも いらっさいませ いらっさいませ」とか歌っていて、とても楽しい歌です。楽しいんですけれども同時に哀愁も漂っていて、聞いていると何だか泣けてくる歌なんですよね。完全にキューバ音楽のノリなのにも関わらず、日本的な郷愁が感じられるという曲であります。キューバの超一流のデュオが、日本語でこんなにも素敵な歌を残してくれたことに感謝したいです。


 超一流の音楽家というのは、どこの国の言葉で歌おうと素晴らしいものを作ることができるんですね。彼らのスペイン語で歌われるキューバ録音の曲の数々も本当に素晴らしいものでありますが、この「やきいもの歌」は彼らから我々日本人への最高のプレゼントのように感じられ、格別の味わいがあります。決してお遊びで作ったようないい加減な曲ではありませんよ。
【2007/11/15 21:15】 ラテン | トラックバック(0) | コメント(8) |
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